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佐々木はる菜

絵本で親しむプログラミング!「ルビィのぼうけん」を親子で読みたい理由って?

  • 佐々木はる菜

2019.04.11

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突然ですが、皆さんは「プログラミング」について説明することはできますか?
私自身はむしろ苦手意識が強く、説明どころか“よくわからない”というのが正直なところ…そんな私のイメージを楽しく覆してくれたのが、今回ご紹介する「ルビィのぼうけん」という1冊の絵本です。

教育大国として名高いフィンランド発、20ヵ国以上で発売され世界的に大ヒットとなっている「ルビィのぼうけん」は、物語を通じてプログラミングの基本的な考え方に触れることができる絵本です。

主人公はルビィという好奇心旺盛な女の子。
前半はルビィが宝石を探す冒険物語、そして後半には「自分でやってみよう」というアクティビティ(練習問題)があり、「コンピューターに言うことをきいてもらうのに、とても役に立つ考え方」を学ぶことができます。

可愛いイラストとワクワクする物語…「絵本」としても面白い!

「ルビィのぼうけん」に興味を持った一番の理由はやはり、来年2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されるということです。最近では習い事のひとつとしても人気を集めていますが、我が家の場合は親である私自身が知識に乏しいため、子どもたちに何か準備をさせた方が良いのかどうか、その判断にも迷ってしまうという状態。でも絵本ならば親子ともに良いきっかけになるのではないかと思い、今春に小学校入学を迎える長男のために購入しました。

息子と一緒に読んでみてまず感じたのは、絵本としても非常に面白いということ。主人公のルビィをはじめとした個性豊かで魅力的な登場人物や、カラフルで美しい色づかいなど、子どもから大人まで楽しく読み進めることができる絵本だと思います。

私はこれまで「プログラミング」と聞くと、難しい呪文のようなコードをコンピューターにひたすら入力するようなイメージしか持っていませんでしたが、それが覆されたのは、この絵本が「難しい問題を乗り越えるために必要な『考え方』」について教えてくれる物語だからではないかと感じています。

「プログラミングはよくわからない…」そんなパパママにこそ、おすすめしたい理由

遊びやゲーム感覚で楽しむことのできる後半の「アクティビティ」。息子だけではなく、4歳の娘と私もそれぞれ参加!それぞれの考えについて話し合うことも面白い体験でした。

私が特に印象的だったのが、物語の最初のほうにある「ルビィの計画」という章。「手におえない問題はたいてい、小さな問題が集まってできている」からこそ、宝石探しの冒険に出かける前にルビィはまず、宝石を見つけるための「計画を立てること」から始めます。

やるべきことを整理し細分化して、ひとつずつ着実に解決していくということは、大人になって仕事をする上でも大切な考え方だと思いますが、その重要性を子どもにきちんと伝えられる機会は案外少ないのではないでしょうか。
また物語全般を通じて伝わってきたのが「自分の達成したい目的を実現するために何が必要か、そしてうまくいかない時はどうすれば良いのか」について考えることの重要性でした。

小学校でプログラミング教育が導入される目的は「論理的な思考力」養うことだという話はこれまで何度か目にしていましたが、この絵本を読んで初めてその意味が少し理解できた気がしました。

ITオンチの私が「ルビィのぼうけん」に惹かれた、もうひとつの理由

実は「ルビィのぼうけん」に興味を持った最初のきっかけは、著者であるリンダ・リウカスさん来日のニュースでした。

ヘルシンキ出身のプログラマーで、作家・イラストレーターでもあるリンダさん。もともとこの絵本は、リンダさんがアメリカのクラウドファンディング「Kickstarter」で資金を募ったことが始まり。発表からたった3時間強で目標金額の1万ドルを達成するほど、注目度が高いプロジェクトだったそう。

ステレオタイプなイメージではありますが、「プログラミング」と聞くとつい男性が多いイメージを持っていた私にとって、リンダさんのバックグラウンドや「プログラミングにまつわる絵本の主人公が女の子」だということは、ちょっと意外性がありました。

実際、日本におけるソフトウェア業の就業者男女比は、男性が81%に対して女性は19%(2010年国勢調査より)だといいます。
プログラミングは21世紀を生きる上で必要な教養であり、さらなる多様性が求められると考えるリンダさんは、世界中の色々な場所で若い女性にプログラミングの基礎を教える「Rails Girls」という活動も立ち上げ、この本を日本語に訳した鳥井雪さんも、その日本での開催をサポートしているそうです。

私には娘もいますが、もしも「ルビィのぼうけん」に出会わなかったら、そもそも自分がITについて苦手意識を持っていることもあり、女の子である娘には積極的に学ばせようとしなかったかもしれません。そんな、自分自身が気づかずに持っている古い考え方や、子どもの「学び」に対する親のアプローチについてまで、考えさせられる機会にもなりました。

何かを学ぶ時に一番大切なのは「自ら興味を持つこと」ではないかと思います。
プログラミングが小学校で必修化されるということは、大切な子どもたちが国語や算数と同じように学ぶということ。その時に親が「よくわからない」ではなく一緒に興味を持って関われるかどうかは、子どもが楽しく学ぶ上でも、実はすごく大切なことではないでしょうか。この絵本は、私のようにこれまで苦手意識のあった大人でも、改めて興味を持つきっかけを作ってくれるだけの魅力がありました。

わくわくするストーリーに加え、子どもたちと一緒に問題を考えること自体も良い想い出になり、世界中でヒットしている理由を実感しています。興味を持たれた方は是非、お子さんと一緒に楽しんでみてくださいね!

『ルビィのぼうけん』特設サイト – 翔泳社

 

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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