LIFE

峰典子

星野リゾート初の試み。三世代宿泊も快適な「界 伊東」へ。

  • 峰典子

2019.04.12

この記事をクリップする

 

三世代旅行を決心するまで

LEE読者の皆さんは、家族三世代で旅行した経験がありますか? 我が家はありませんでした。我が家と義両親宅は、近所とは言わないまでも、すぐに行き来できる距離。揃って外食へ出向くことは頻繁にあるのですが、逆に遠出する機会はなかなか持てず……。慰労を兼ねて温泉にも入りたいし、ここのところ息子は、きっての銭湯ブーム。いいタイミングかなと、三世代の宿滞在を思い立ちました。

リニューアルした界 伊東がオススメのわけ

宿に選んだのは、昨年末に大リニューアルした「星野リゾート    界 伊東」。大浴場やロビー、全客室などがまるごと美しくなったのですが、その中でも注目したいポイントが、三世代が同室に泊まることのできる8名定員の部屋ができたこと。これは星野リゾート全体でも初の試みだそう。とっさに頭に浮かんだのは、大部屋に布団がずらっと並んでいる絵だったのですが(笑)、そうではなくて、ベッドルームが二つ配されているのだとか。いったいどんなお部屋!?

余白をたっぷりとったロビーには、家族みんなで座れる大型ソファも。

day1 PM14:00 広々としたロビーでおもてなし

とある3月某日、私と夫、息子、そして夫の両親の計5人で「界 伊東」へ向かいました。残念ながら天候は雨…。道路から玄関までは屋根付きのスローブがあるので、ベビーカーや車椅子、足元が悪い日でもスムーズに入館できます。まずはチェックインを兼ねて、ロビーで小休憩を。慣れぬ遠出で疲れてしまうなか、お茶とお菓子のおもてなしが嬉しかったです。お部屋を担当される方からのご挨拶があり、館内を案内していただきました。

伺ったのが3月頭だったので、立派なひな壇がお出迎え。



day1 PM14:30 部屋で荷ほどき

「ひろーーーい!」嬉々とする息子。

各々がリラックスできる、広い客室

8名定員の客室「特別和室」がこちら。リビングルームを中心に、ベッドルームが2つあります(隣接はしていませんよ)。その広さは約100㎡。大型ソファーがあっても、まだ十分に広々としたスペースがあり、子供たちが数人遊んでいても何ら問題なさそう。奥には赤ちゃん連れも安心のキッズスペースがあります。

手の込んだ細工なのが見てとれる。縁起物なので割り切れない奇数のモチーフをつるすのだそう。

季節を感じられるしつらい

伊豆の四季を体感して欲しいとの想いから「花暦の宿」をコンセプトに掲げた、今回の大リニューアル。館内の様々な場所で四季を感じられるしつらいを楽しむことができます。キッズスペース頭上には、子どもの成長を願った手作りの吊るし飾りが。さつまいもやトマトといった四季折々のモチーフがユニークなので、子どもと一緒に、これ何かな?と探してみました。

つるし飾りをモチーフにした巨大クッションは手触りがよく、子どもに大人気だとか。

引き戸に使用した布は染色家、石丸みどりさんの作品。伊豆で自ら採集した植物で糸を染め、紡いでいる。あくまでもナチュラルな色を楽しむため、色止めをしていない。

こちらが圧巻のベッドルーム!同様の部屋がもう一つある。

day1 PM15:30 フレッシュな椿油しぼりを体験

今回のリニューアルで専用ルームが完成。部屋いっぱいに椿の香りが広がる。

「界」ブランドは、地域の文化を学べる「ご当地楽」がお楽しみのひとつ。「界 伊東」では、椿の種から無添加のオイルを抽出する「椿油作り体験」に無料で参加できます。温暖な気候の伊東は、椿を育てるのに最適。江戸時代より食用、薬用、美容のために親しまれてきたとか。

スタッフの方から簡単レクチャーを。日に二回の開催で、この回には3家族が参加していた。

ペンチのような道具で、椿の種を割っていきます。硬いですが、コツをつかめば難しくない。

硬い殻を割ると、白くふんわりとした綿に包まれた実が出てきます。これを機械に入れてぎゅーっと絞ると油がたら〜り。家族で10粒ほどの種を絞ると、3センチほどの小さな容器2本分になりました。濾過せず防腐剤も入っていないので、数日で使い切るのがおすすめだとか。絞り機に残ったオイルをすくい取り、髪や指先に伸ばしてみると、べたつかずにすっと浸透する質感。伊豆大島には300万本の椿が咲き誇るといい、いつか大島も訪れてみたい!と、がぜん興味が湧いてきました。

このボトルに入るだけの油を絞るには、これだけの種が必要。椿油は希少。

day1 PM16:30 食事の前に、肌に優しい温泉へ

毎分600リットルという豊富な湯量を誇る、源泉掛け流しの大浴場。

かつて、徳川家で湯治湯として献上していたという曰くのある伊東温泉。泉質は、弱アルカリ性の高温泉。身体がよく温まり、湯冷めし辛く、肌に優しいのが特徴。温度が高くないので、子どもやお年寄りにも安心です。大浴場にはベビーバスが設置されていましたよ!

リネン100%のパジャマ&草履が気に入った息子。

子ども連れの旅行は荷物がかさばりがち。「界」ブランドでは、ベビー&キッズ向けグッズが豊富に用意されています。ベビーは、おむつ用ゴミ箱やお風呂イス、ミルク用ポット、離乳食。キッズは、浴衣や歯ブラシセット、子ども便座、踏み台といった具合。おもちゃの用意もあるそうです。

day1 PM17:30 海の幸をたっぷり味わう会席料理

半個室になっている食事処。隣の人の目線を気にすることなく、家族団欒を過ごせる。

お楽しみの夕食は、地元で獲れた海の幸と、旬の野菜を組み合わせた約20品の特別会席を。家族全員リラックスしすぎてしまったので、食事全体の写真がお見せできなくてごめんなさい…。一部メニューをご紹介しますね。

・生桜海老
・フォワグラ苺鋳込み
・甘海老の小袖寿司
・お造り取り合わせ
・鶏の最中鋳込み揚げ
・鯛の桜葉蒸し
・淡雪チーズ 椿見立て
(メニューは季節によって変更します)

子供用の器はオリジナル。伝統的な漆器や、明るい絵柄が楽しい九谷焼などを取り入れて。

「まごわやさしい」メニューに挑戦

界では、幼い子どもにも和食の良さを感じられるメニューづくりにこだわっています。「まごわやさしい」をテーマに、豆・ごま・わかめ・野菜・魚・しいたけ・芋をすべて取り入れ、遊びながら学べる品書きも。子どもが伝統的な食事に触れる、よいきっかけになりました。

ま、ご、わ、とブツブツつぶやいていた息子。

名物、金目鯛のぐり茶蒸し。日本酒がとっても進む味!

day1 PM19:30 おのおの自由時間を満喫して

品数が豊富なショップ。オリジナルグッズも多いのでぜひチェックを。

食後は各自が自由行動。温泉に行くひと、部屋でゆっくりするひと、部屋で飲み直すひと。ショップに行くひと。ロビーにあるショップは品数も豊富。酒の肴も並んでいたので、部屋でお酒と一緒にいただくこともできます。

day1 PM21:00 絵本を読みながら子どもを寝かしつけ

大人はもう少しゆっくりしたいですが、子どもは寝る時間。息子はいつも絵本を読みながら眠るので、ロビーにあるライブラリーで読みたい本を自由に選ばせて、それを読み聞かせしました。

ライブラリーには、伊東、伊豆、静岡にまつわる様々なジャンルの本が並ぶ。ロビーでドリンクを飲みながら読んでも、部屋に持ち込んでもOK。

書籍のラインナップが素敵だなと思い、支配人に伺ったところ、伊豆市に店を構える長倉書店の店主、長倉さんによる選書だとか。長倉書店は伊豆に関係する本なら日本一の品揃えを誇る名店。次に伊豆に行く際には立ち寄りたい!

day2 AM8:30 名物ではじまる二日目の朝

生姜の効いたなめろうが最高。

夕食が早めに終わったので、朝にはしっかりとお腹が空いていました。界 伊東の朝食は、名物なめろうが最高。まずはそのまま。そしてご飯に載せて。最後にはお出汁をかけてさらさらと。

さて、お腹もいっぱいになったところで、最後の自由時間。残念ながら天候に恵まれなかった今回の宿滞在。温泉プールや足湯は厳しそうなので、チェックアウトギリギリまで大浴場を楽しむことに。天気がよければ池の鯉に餌を揚げたり、庭園を散歩することもできるそうです。甘夏の木にはリスもいるとか。

雨のため断念した温泉プール。本当に温泉なの?と手を差し込んでいた。

こちらは足湯。目の前には庭園が広がり、桜も見える。

湯治ルーム。入浴前後のストレッチをしたり、温泉レクチャーを受けることができる。

湯上がりには、ドリンクやアイスキャンデーのサービスが。いたく感激していた様子の息子。

家族の節目に、お祝いに。

一般的に和室というと、4、5名が定員。人数が増えるときは複数の部屋に分かれて泊まるもの。特別和室なら、子どもたちが遊んでいる姿や眠っている様子を祖父母も見守ることができます。子どもをバトンタッチしながら見つつ、交代で温泉に行くこともできますよね。

次はいつくるの?と急かされてる様子です…

いつきても、新しい表情に会える。

たった一泊、されど一泊。無事に三世代滞在を終えることができ、ほっとした私。界 伊東にいらっしゃるご家族は、子どものお食い初めや入学祝い、還暦や古稀といった節目や祝いで訪れる方が多いのだそう。だからこそ、どんな世代でも快適に過ごせるよう工夫やおもてなしに溢れていました。ほんの短い時間だからこそ、滞在先のチョイスが肝となる家族旅行。界 伊東の特別和室を選んだら、格別なひとときが過ごせそうです。

界  伊東「伊豆花暦の環 特別和室」詳細・予約はこちらから

峰典子 Noriko Mine

ライター/コピーライター

1984年、神奈川県生まれ。映画や音楽レビュー、企業のブランディングなどを手がける。子どもとの休日は、書店か映画館のインドアコースが定番。フードユニットrakkoとしての活動も。夫、5歳の息子との3人家族。

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる