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お金のプロの「保険」と「教育費」

現役FPに聞く!保険と教育費、どう選んでいますか? vol. 1

  • LEE編集部

2019.03.04

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家計の中でも気になるのが、保険と教育費のやりくりについて。そこで、子育て中の現役FP(ファイナンシャルプランナー)に、自身が選んだ保険&教育費の貯め方、選び方を直撃取材!
プロが考えるとっておきのコツとテクをたっぷりお見せします。

この記事は2018年10月7日発売LEE11月号の再掲載です。


お金のプロのリアルな選択vol. 1
どんな商品かではなく、どんな保障が必要か熟考を

FP事務所代表
廣江淳哉さん(43歳・妻39歳・娘5歳、1歳)
10年前にFP資格を取得、9年前に事務所を開業。保険、家のローン、教育費、老後資金など、お金にまつわる個人カウンセリングが主な業務。同じくFP資格を持つ妻が、事務的仕事をサポート。5歳、1歳の娘がいて、本格的に教育費がかかるのはこれから。

 

収入

世帯年収 約 560万円(手取り)
 個人事務所(自営業)/手取り年収 : 約470万円
 自営業手伝い/手取り月収 : 約8万円(夫の収入から)

総貯蓄額 約 710万円(保険含む)
普通預金250万円、国内株式80万円、投資信託100万円Point 1)、終身保険(定額)140万円、変額保険40万円、金プラチナ100万円

FP歴9年の廣江さん。保険と教育費の選び方には、お金のプロの視点が満載。まず、保険選びの際は「どんな保障が必要かをはっきりさせること」が重要だそう。

「仕事でカウンセリングをしていると、お金を残す必要性がそこまでないのに、死亡保障額が1000万円以上の保険に入っている方も多いんです。適正なものを選べておらず、損しているパターンですよね。
『どんな保険がいいか』とよく聞かれますが、まずは自分にはどんな保障が必要かを考えること。
例えば私は自営業なので、いざというときに備えて、費用を抑えて高い保障が得られる掛け捨ての収入保障の保険を。定年がないことを考慮し設定は68歳まで。また老後の安心のために終身医療保険を選択しています」(FP廣江さん)

 


収入保障保険
(保険料80448円/年・保障月額12万円・68歳まで・掛け捨て)43歳加入

終身医療保険
(保険料5424円/月・入院日額1万円・68歳まで・掛け捨て)34歳加入

終身がん保険
(保険料5469円/月・診断給付金100万円、2 年目以降闘病時給付金50万円×年4 回、入院日額1 万円等・65歳まで・掛け捨て)34歳加入

がん保険Point 2)
(保険料2030円/月・診断給付金100万円・実損填補タイプ・5 年更新型)42歳加入

» すべて合わせて保険料 19627円 /月

 


終身保険
(保険料20587円/月・死亡時700万円・定額)30歳加入
» 教育費として利用。第一子 18歳時に約 430万円 受け取り

変額終身保険
(保険料4887円/月・死亡時300万円・60歳まで)29歳加入

終身医療保険
(保険料5780円/月・日額1 万円・60歳まで・掛け捨て)34歳加入

がん保険
(保険料2930円/月・診断給付金100万円・実損填補タイプ・5 年更新型)39歳加入

» すべて合わせて保険料 34184円 /月

 

第二子
個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用Point 3)(2万3000円/月)
» 17歳時に掛け金総額約 440万円 受け取り(運用結果による増減あり)

 

「教育費」代わりの終身保険とは?
最近、学資保険代わりの加入が増えている「低解約返戻金型終身保険」。払い込み期間中の解約返戻金を低く抑えることで、満期以降の返戻金額が増える。満期を子の大学進学時に設定するのが一般的。

「個人型確定拠出年金」とは?
加入者が毎月一定額を積み立てて運用し、60歳以降でのみ受け取りが可能。積立金は所得控除の対象、運用益が非課税など、税制優遇があるため、お得にお金を貯められる。晩産で、60歳以降に教育費がかかる場合には貯め方の候補のひとつに考えるのも手。

» Point 1 子ども名義でも証券会社の口座を持っている

子ども名義で証券会社の口座を開設。低金利が続く今の時代は定期預金ではなかなか増えないので、お祝い金やお年玉などは普通預金ではなくこちらの口座に。そのお金で、情報を入手しやすい国内株式を少額ずつ購入。

「娘にも将来的には自分で購入を考えてもらいたいので、マネー育の一環としても。積み立てている学費とは別で、子どもが将来自由に使うためのお金として運用していきたいと考えています」(FP廣江さん)

 

» Point 2 老齢時よりも壮年時に病気に罹患した場合を重視した保険選び

世帯主ということもあり、リタイア後よりも働き盛りの今、万が一病気になってしまったときのことを考えて、特にがんに対する保障を手厚く用意。

「がん保険と終身がん保険の両方に加入しています。がん保険は実損填補タイプで徹底的に治療が受けられるように、終身がん保険は診断給付金のほか、闘病2年目以降も給付金が受け取れる内容で、収入減の際の助けになるため」(FP廣江さん)

 

» Point 3 子ども二人の教育費を低解約返戻金型終身保険と個人型確定拠出年金で用意

第一子は出産の3 年前から積み立てを始めたので、当時金利のよかった終身保険に加入。支払い期間を16年で設定し、もし子どもができなければそのまま置いておくつもりだったそう。

「第二子は大学進学時に父61歳のため、個人型確定拠出年金を活用して教育費を確保。老後資金作りには、妻の個人型確定拠出年金などを検討中です」(FP廣江さん)

教育費に関しては、早くからの備えと、晩産ならではの工夫が。

「結婚してから事務所を開業したため、子どもは仕事が軌道にのってからと考えていました。そうなると、出産までの共働き時代は経済的に余裕がある時期。出産前から教育費の準備をしておこうと終身保険を選びました」(FP廣江さん)

 

廣江さん経歴

23歳 就職。更新型保険に加入
新卒入社の会社にやってきた保険営業からすすめられ、特に保険に詳しくなかったため、契約を更新するたびに保険料が上がっていく更新型保険にすすめられるままに加入。
32歳 留学、転職を経て人材派遣会社営業に
33歳 人材派遣会社倒産。FPの資格に興味が
倒産した会社と付き合いのあった保険会社の営業職に誘われるも、自社の商品を自信を持ってすすめられなかったら……と悩み辞退。お金にかかわる仕事に興味がわき、調べていたらファイナンシャルプランナーの資格があることを知る。
33歳 失業手当で学校に通いFP資格を取得
失業保険の職業訓練で会計、簿記を学びつつ夜にFP資格取得のための学校に通い、約1年で実現。
34歳 事務所開業・結婚。夫婦ともに保険見直し
開業後、妻もFP資格を取得。「どんな保障が必要か」という観点で、就職時に加入した保険を夫婦そろって見直す。無駄をそぎ落としつつ、自営業という自分たちの働き方に見合うような保障が得られるものを選択。
35歳 学資保険代わりの終身保険に加入
将来的に子どもを希望していたので、学資代わりの終身保険に妻の名義で加入し教育費の積み立てをスタート。
38歳 第一子誕生
43歳 第二子誕生。個人型確定拠出年金スタート
第二子の教育費を積み立てるため、個人型確定拠出年金に口座を開設。

 

「第二子は私が43歳で生まれたので、大学費用がかかる頃には61歳。本来は老後資金用である個人型確定拠出年金で節税し、効率よく教育費を積み立てる道を選びました。引き出し年齢に制限がありますが、晩産の方の教育費の準備としてはひとつの選択肢だと思います」(FP廣江さん)


イラストレーション/macco. 取材・原文/野々山 幸
この記事は2018年10月7日発売LEE11月号『お金のプロの「保険」と「教育費」大公開!』の再掲載です。

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LEE編集部 LEE Editors

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