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佐々木はる菜

人気の理由を実感!親子一緒に豊かな時間を過ごせる、あたたかな1冊を

  • 佐々木はる菜

2019.02.09

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「人間って、生まれる前と死んだ後って同じところに行くの?それが天国なの?」「悲しい気持ちって、なんで、だんだん少なくなるの?」

…最近、子どもたちからの質問に答えられず、思わず詰まってしまうことが増えました。
人の「気持ち」や生死・善悪にまつわることなど、抽象的で一言では説明できない、でもきちんと答えてあげたい疑問の数々。そんな大切なことを、子どもと一緒に考える良いきっかけとなる1冊の本について、ご紹介したいと思います。

「こころのふしぎ なぜ?どうして? (楽しく学べるシリーズ) 」 918円(税込)
村山哲哉(監修) 高橋書店

“読むほどに心が強くなる!新しい「やさしさの教科書」”と紹介されている、こちらの本。
簡単には説明しづらい人間の感情や、倫理観、家族や友だちとの付き合い方など、「心」にまつわる疑問に対して、たくさんのイラストなどを使いながら、わかりやすく答えてくれています。

「心」に関わる疑問や考えには絶対的に正しい答えはありませんが、「命や食べ物をどうして大切にしなければならないか」というようなことから、「どうして途中であきらめない方が良いのか」「楽しいことだけずっとしていてはダメなのか」など、ページをめくるたびに興味深い項目が次々に現れます。

 

出会いのきっかけは、同じ世代を子育て中である親戚と友人から立て続けにオススメされたことでした。

ここ数年、子どもたちにとっての「ひいおじいちゃん」「ひいおばあちゃん」が立て続けに他界。初めて身内の死を経験した上での「死んだらどうなるの?」という質問に、うまく答えることができず歯がゆい思いをしました。

また昨年末、年長になってから毎週課題のある習い事を始めた息子が「どうしてもやりたくない、やめたい」と毎日大騒ぎする時期がありました。なぜそれを続けた方が良いのか、続けた先にどんな未来や可能性が拡がるのか、その時もうまく伝えることができませんでした。

子どもに対して上手に説明できないことが重なり悩んでいた時期だったこともあり、非常に興味を惹かれ、すぐさま購入。息子に本をプレゼントしたところ、楽しそうにページをめくっていました。私は隙間時間にパラパラ見る程度で、しばらくはそのままになっていましたが、先日、珍しく体調不良が重なり兄妹共に幼稚園をお休みした時に3人でじっくり読んでみたところ、想像以上に貴重な時間を過ごすことができました。

「ママと一緒に読んだ方が、もっと面白いね!」

少し症状が治まり元気になってきたけれど安静にしたい1日、一緒にゆっくり読書をすることで、楽しいひとときとなりました。青い方は続編です。

「心って、どこにあるの?」という項目から始まる本書。頭だと思う!胸だと思う!と、それぞれ意見を交わし合い、盛り上がりました。
また、「かぜで学校を休むと、ちょっとワクワクするのはどうして?」というページでは、まさに今だね、わかるわかる!と喜んだり、「どうして、歌を歌いたくなるの?」という箇所では、実際にみんなで歌ってみようということになり、歌うことでどんな気持ちになるか確認してみたりもしました。

また、本の帯にもなっている「『ごめんね』が、うまく言えない…」というところでは、私自身が夫と喧嘩してうまく謝ることができず反省した話を披露し、息子や娘もそれに応えて自分なりのエピソードを教えてくれるなど、これまではあまりきちんと話したことのなかった抽象的な事柄について、一緒に楽しく考えることができました。

「普通に読んでも面白かったけど、ママと一緒の方が色々話せてもっと面白い」という息子の言葉は私自身の感想でもあり、子どもたちの反応や意見もなかなか深い。こんなことを感じているんだなぁと知ることができ、楽しかったです。

そして大人にとっても、例えば「せつなさ」といった少し複雑だけど素敵な感情や、命や神様、戦争についてなど、難しくも大切なこと改めて考えるきっかけにもなると思います。
「友だちをたくさん作る秘策」や「やさしくなるための具体的な方法」など私自身も勉強になることも多く、自分自身に悩みや迷いがある時に開くと、何かヒントとなることが見つかるかもしれないとも感じました。

「人はしんだら、どこへ行くの?」それぞれの答えを見つけるために

「なぜ、しょくじをのこしてはいけないの?」「ルールは、どうしてまもらなくちゃいけないの?」など、説明しづらいことを子どもにうまく伝えるための参考にもなりますが、私が一番心に残ったのは命にまつわる疑問についてのページでした。
「人がしぬって、どういうこと?」「『じゅみょう』って、何?」そして「かなしみは、いつきえるの?」…難しい説明を、子どもにもわかる言葉で端的に表現しているだけでなく、“どうして命を大切にしなければならないのか”ということもまで伝え、明るい気持ちにさせてくれる内容でした。

曾祖父母の葬儀などにも参加した子どもたち、「お別れ」にまつわる様々な儀式は大変心に残ったようで、拙い言葉ですがその時の気持ちを教えてくれたり、3人で改めてひいおじいちゃんやひいおばあちゃんのことを思い出し、きっと見守ってくれているよねという話をしたりすることもできました。

普段はなかなか、子どもと一緒にゆっくりと本に向き合い、読みながら本の内容について色々と話し合うような時間を持てていなかった我が家。胃腸炎だったこともあり体調不良は色々とかなり大変でしたが(笑)、その「お休み」が良いきっかけにもなりました。

外は寒く、体調も崩しやすい時期。
大人にとっても改めて色々なことを考えるきっかけになる1冊なので、興味を持たれた方は、暖かなお部屋でお子さんとくっついて、是非ご一緒に読んでみてくださいね!

公式サイト(高橋書店)

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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