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佐々木はる菜

【病児保育】不安でいっぱいだった我が家を変えた、初利用”体験談”

  • 佐々木はる菜

2019.01.10

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子育て中のママ・パパにとって、冬場は子どもの病気との攻防戦。特に、働いている方にとっては、子ども自身の心配に加え、お仕事をどうするか頭を悩ませることが増える時期ですよね。

私は、ふたりめの子どもとなる下の娘が1歳半の時に再就職、その後迎えた冬の時期に初めて、小児科併設の「病児保育」を利用しました。
病気の子を預けることには、多少の差はあれ皆さん色々な葛藤があると思います。私もたくさんの不安がありましたが、結果的には親子共に非常に良い経験になりました。再就職前に準備したことなどと併せ、今回はその体験談をお伝えしたいと思います。

「また働きたいな」と思うママにとって、一番のネック?!

結婚後しばらくは「会社勤め」から離れていた私。結婚と同時に関東から関西へ引っ越し、長男が1歳半までは関西で初めての出産・育児に奮闘しながら過ごしました。その後東京に戻り、ふたり目を妊娠…その時々にできる範囲で在宅メインのライター業を続けつつも、「勤務」はしていませんでした。

親の状況などから実家はあまり頼れない環境にあるため、再就職する際に一番不安だったのは、仕事ができるかどうかよりも「子どもが病気になった時どうするか」。
また周りの話を聞いていると、同じように“今は仕事から離れているけれど、再就職したい”と考えるママの中には「実家も遠いし、子どもが病気になった時に預ける場所がないから踏み切れない」と話す方が、まだまだ多いと感じています。
働くママが増え、「病児保育」という言葉の認知度は上がりましたが、私自身も尻込みする気持ちが強かったので、心配される気持ちも、とてもよくわかります。

再就職前に一番時間をかけたことは、「病児保育」関連の準備

仕事をされている方でも、予約の取りづらさやサービス内容・価格の兼ね合いなどから「病児保育は使ったことがない」という方も多いようです。参考までに再就職前、実際に私が“子どもの病気の際に利用できるサービス”について調べ準備したことをまとめてみました。

◆医療機関併設の病児保育施設

最初に、連れて行けるエリアで「病児保育」がある小児科や病院を調べました。私は出産時に区から配られた子育て関連の冊子の情報をもとに調べましたが、まずはお住まいの地域の役所への問い合わせ、そのHPなどで調べると、確実な情報を得ることができる可能性が高いのではと思います。医療機関に併設されている安心感に加え、施設によりますが、1日2000円程度など利用しやすい価格設定なことも大きな魅力だと感じました。

利用にあたり事前の登録が必要なことが多く、次にその登録作業を済ませました。
病院へ登録票をもらいに行き(ダウンロードできる場合も)内容を確認すると、名前や住所の他、当然ながら予防接種や病歴、アレルギーについてなど記入項目は多数…我が家の場合はふたり分なので結構時間がかかりました。さらに私が利用した施設は顔写真も必要で、子ども自身と送迎者全員(保護者、祖父母など)の顔が分かるものを用意しました。仕事を始めて病気になるとただでさえ慌ただしいので、事前に落ち着いて準備しておくことをおすすめします。

◆シッターサービス

入会金、月会費無料でスポット利用ができ、病児保育も行っているシッターサービスや、べビーシッターマッチングサービスに登録しました。マッチングサービスでは「病児OK」の方を探し、面談まで済ませておきました。

◆その他、住んでいる地域のサポートやサービスをチェック

先輩ワーママからのアドバイスで、シルバー人材センターやファミリーサポートへの問い合わせもしました。友人曰く、「まだ年齢が小さいうちは、治ったと思っても保育園でひっかかり、予想外に預かってもらえないことがある。治りそうな翌日も、一応家で見てもらえる人を押さえておくとよい」とのこと。地域によってサービス内容が違うこともあり、私は条件の合う方が見つからず断念しましたが、参考までに…。

ただ、上記のような準備をしたものの、実際はなかなか利用することができませんでした。
ありがたいことに、お世話になっていた会社も理解があったため、ちょっとした体調不良の時はご相談してお休みをいただいたり、保育園に預かってもらえる程度の場合は、いつもの園に預けて「本調子じゃないのに預けてしまった…」とモヤモヤしたりしながら半年ほど過ごし、いよいよ冬の時期に突入しました。

インフルエンザでついに「病児保育」の門をたたく

「どこどこの小学校で学級閉鎖が出た」「あっちの幼稚園で流行っているらしい」などなど、寒くなってくると、あいさつ代わりに話題に上るようになるインフルエンザ。下の娘の感染が分かった時点で腹をくくり、初めての病児保育利用を決めました。
とはいえ、同じ状況のご家庭が多い冬場はなかなか予約が取れず、病児専門のシッターサービスも、マッチングサービスもNG続き。そんな中、小児科併設の病児保育施設に運良く空きが…!

それまではやはり「病気の子を預ける」ことに躊躇を感じていましたが、その時は、インフルエンザ以前も風邪などでお休みをいただいている状況、そして「探しまわった末にやっと見つけた病児保育の枠!」ということで、初めてそのハードルを飛び越えることができました。



朝の診察に時間がかかる場合も。タクシーなど病院までのアクセス方法も早めに準備!

私が利用した施設の場合は、決められた持ち物を準備して指定の時間に病院へ行き、「入室時診察」を受けた上で預かりとなります。検査や薬の処方があった場合は少し時間がかかる場合もあるので、初日は一番早い時間に診察をお願いしました。

持ち物は、着替え数組・バスタオルやタオル・ビニール袋・また当時はおむつで多めに持たせる必要があったため、結構な大荷物。子ども自身も体調不良なので、タクシーを予約しました。朝の時間はタクシーの予約も取りづらいため、こちらもなるべく早めの手配がオススメです。
食事やおやつは当日朝でも注文できる施設だったのでとてもありがたく、何度か利用させていただきました。お弁当必須の場所もあるため、当日慌てないよう、そこも把握しておくことが必要です。

病気の子どもに接する「プロ」を頼る素晴らしさ、親子で実感

当時2歳なりたてだった娘は、初日は別れ際に大泣き。私まで通勤中の電車で涙をこらえるなど、親子共に慣れない場所での初めての体験にとにかく不安でしたが、それは1日目のお迎え時、ほとんど払拭されました。検温を始め体調の記録はもちろん、食事内容や子どもがどんな様子で1日を過ごしたかが細かく書かれたレポートをいただき、それを見ながら丁寧に説明を受け、本当に感動しました。

もちろん子どもにとっては親が側にいてくれることが何よりだとは思いますが、看護師さん、保育士さんの子どもに対する接し方は、当然私よりもよっぽど的確。また日に日に慣れた子どもたちは迎えに行くと居心地良さそうに過ごしており、途中から「元気だけど、規定日数が経過するまで登園はNG」という状態になった時は、家よりものびのびと遊ぶことができ、楽しそうに見えました。

保育士さんが作ってくれた「秘密基地」の看板(?)。息子にとっては楽しい思い出となったようで、まだ寝室の扉に貼ってあります。迎えに行くと、娘が幼児用の小さなテーブルに向かって寛いだ様子でおやつを食べており、「2歳児が“お茶”してる!!」と笑ってしまったこともありました。

それまでは「かわいそうだから」と自分で抱え込んで無理を重ねていたほか、職場に迷惑をかけることへの申し訳なさ、「今日も休めないか」と聞く心苦しさ…そういうことも辛く感じていました。

そして私も経験がありますが、たとえ仕事をしていなかったとしても、病気の子どもを1週間など自宅でみるのは、すごく大変だと思います。もちろん親の役目ではあるのですが、例えば、インフルエンザなど目の離せない病気に罹っている子どもの他に小さい赤ちゃんもいるような場合は、寝不足・洗濯・自分も体調不良…など看病だけでも必死で、小さい子どもを何人も連れて混んでいる病院へ行くこともひと苦労。何より、高熱や嘔吐など症状が顕著な時は、自分の判断が正しいかどうかなど、とても不安になります。

またこの時のインフルエンザは妹→兄→私と回ってしまったこともあり、私と夫だけではきっとどうにもならなかったはず。子どもの病気にまつわる心身の負担を軽くしていただき、利用できて本当に良かった!と、今でも思い出すたび感謝の念に堪えない気持ちです。

特に実家が遠い場合などは、結果的にママがひとりで抱え込みがち。看病だけでも大変なのに、仕事のことも気になり、責任感が強い方ほど辛くなってしまうと思います。
もちろん「病気の子どもを預ける」ことへの葛藤はいつまでもあるとは思いますが、ママ自身の心身の健康の為にも、ひとつの選択肢として準備しておくことを是非おすすめしたいです。

まだまだ寒さが厳しい時期が続きますが、自分だけで頑張りすぎず、家族と助け合い、周りやサービスなどをうまく頼りながら、元気に過ごすことができるといいですね!

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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