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藤本こずみ

母親世代の女性の言葉-大先輩ママたちから教わったこと-

  • 藤本こずみ

2018.11.20

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出産前後は、産休に入って社会と距離ができたように感じたり、赤ちゃんと二人きりで家にこもりがちになったりして、大人との会話が恋しくなる、という話をよく聞きますよね。

出産を機に生活拠点が変わったため、“ママ友0人”期間が長かった私も(*関連記事はこちら)、そう感じていた一人。

私にとって、出産前後にありがたい存在だったのは、自分の母親世代の方々でした。というのも、里帰り出産で10年以上ぶりに実家に帰ったので、母や母の友人たちと会ったり話したりする機会ができたから。

今振り返ると、“ママ友”と同じ目線でおしゃべりすることはできなかったけれど、そのぶん“大先輩ママ”にいろいろなことを教えてもらえたな、と思います。

 

 

「100点を目指さなくてもいいの。70点で十分よ」

 

 

母の友人であり、私の幼なじみのお母様でもあるNさんは、いつもハッとする言葉をかけてくれる方。何度かお茶やランチをご一緒させてもらったのですが、そのたびに育児のヒントをもらっているような気がします。

 

 

 

久しぶりにNさんにお会いしたのは、私が息子を妊娠していた頃のこと。当時は、身体と環境の変化に向き合う日々。

無事に出産できるかな? 家事も苦手な私に育児ができるのかな? 新しい暮らしにはなじめるかな? 仕事にも早く復帰したいけどどうなるだろう……。

そんな不安を口にした時にNさんがかけてくれた言葉が、「100点を目指さなくてもいいの。70点で十分よ」。

「あれこれ考えすぎなくても大丈夫。完璧にはできなかったとしても、頑張って7割くらいできたら立派立派!」――というものでした。

 

もともと、100点を目指しているつもりもなかったし、完璧にできるとも思ってはいなかったはず。それでも、自分の中で漠然とイメージする“ちゃんとした出産や育児や仕事との両立”には近づかなきゃ、と考えていたのかもしれないなぁ……。そう気づいて、ふっと肩の力が抜けたのを覚えています。

この「7割でOK!」というのは、今も時々自分に言い聞かせる言葉に。料理を失敗した時や部屋が散らかっている時(よくあります……(苦笑))、息子と遊ぶ時間が取れなかった時など、思わず「あ~あ」と感じがちな場面で、必要以上に落ち込まず、「今度頑張ろう!」と前向きに切り替えるスイッチになってくれています。

 

「手をかけてもらえて、よかったじゃない」

 

さて、その後産まれた息子は、現在3歳。幼稚園に通い始めて、半年以上が経ちました。

私の目下の悩みは……息子がごはんを食べないこと!

好き嫌いがあるとか食が細いとかいう問題ではなく、食べることより遊ぶことに夢中になってしまうタイプで、食事中に何をしているのかというと、おしゃべりしたり、歌ったり、コップやスプーンで遊んだり。ごはんはまったく減りません。

自分なりに対策を調べて実践もしてみたのですが、時間を区切って食事を切り上げれば、早く終わったと大喜び。隣でつき合うのをやめて放っておけば、2時間も(!)座ったまま遊び続ける、という有様。

私は一体、1日に何回「早く食べなさい!」を口にしていることでしょうか……(涙)。

家でもそんな状態なので、幼稚園でも先生の手を煩わせている様子。ことあるごとに食べるのが遅いとは指摘されてきましたが、ついには個別に相談の時間まで設けられてしまいました。

先生によると、いつも最後まで食べ終わらず、次の行動に移れないので、最近は息子ために別のクラスの先生にまで来ていただいているとのこと……!

 

そんな話を聞いた直後、Nさんに会う機会がありました。

ため息をつく私にNさんは、「手をかけてもらえて、よかったじゃない」と一言。

そして「後から振り返ったら、小さな悩みだったなって思えるわよ」と続けてくれたんです。

 

確かに、子どもの成長とともに複雑化していくであろう育児の悩みの中で、「ごはんを食べない」なんて、きっと些細な問題ですよね。「小さな悩みだったなって思える」という言葉には、その通りだな、と納得。

一方で、「手をかけてもらえてよかった」という言葉は、目からウロコ。これは子育てを終えた大先輩だから持てる視点だとは思いつつ、「そんな考え方もあるのか!」と、明るい気持ちになりました。

 

 

 

この2つの言葉は、私が教えてもらったことの、ごく一部。”大先輩ママ”たちは、経験も感性も自分とは比べものにならないくらい豊かなので、例えばインテリアの楽しみ方やお茶の出し方など、暮らしの上でも参考になることがいっぱいです。

新米母親、これからも、いろいろなことを吸収させてもらいたいと思っています。

 

藤本こずみ Kozumi Fujimoto

ライター

1979年、兵庫県生まれ。雑誌やWEBで、インタビュー、ライフスタイル、占いなどの記事を執筆。趣味は、テレビドラマ鑑賞&リラクゼーションスポット巡り。夫、長男、長女との4人暮らし。兵庫・東京の二拠点生活に挑戦中。

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