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せいかつプラス刊行記念対談

【Emiさん×沼田晶弘さん】"楽しみながら頑張る仕組み"を作ったら、あとは信じて任せるのがカギ

  • LEE編集部

2018.11.08

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子どもと一緒に心地よい暮らしを目指す、“おかたづけ育”などで支持を集める整理収納アドバイザー・Emiさんと、生徒が能動的に学べる授業で注目を浴びている小学校教諭・沼田晶弘さんが、「満点ゲットシリーズ せいかつプラス」の刊行を記念して初対談!

暮らしと教育というそれぞれの分野で、子どもの個性を尊重して"楽しみながら頑張る仕組み"を作られているお二人の考え方には、育児に迷い悩むLEE読者の参考になるヒントがいっぱい。

子どものやる気を上手に伸ばす方法が、きっと見えてきます!

 

OURHOME Emiさん×沼田晶弘さん
子どもの"やる気"の育て方【後編】

お互いの取り組みに、興味津々の様子のお二人。子どものやる気を伸ばしながら、ご自身も生き生きされているのが印象的です。

沼田 なぜなら、誤解を恐れずに言うと、僕が作るシステムは自分の負担も減らせるものだから(笑)。

Emi わかります! 私が考えた仕組みも、自分がラクするためのものがほとんどなので(笑)。

沼田 例えば漢字テストも、僕が採点したら、ある意味、子どもたちの学ぶ機会を奪ってしまうんですよね。自分たちでやると、細かいトメやハネまでしっかり見るので、すごく勉強になるんですよ。

Emi 私の場合、それに近いのが、学校の準備を子どもたちに任せていること。荷物のチェックも、私は一度もしたことがないんですよ。プリントや宿題のノートも子どもが持ってきたら判子を押す、というスタイル。

Emi 年度末の持ち帰り引き出しも、自分たちできれいに。私は声かけだけしています。行事や旅行の用意も自分たちで。忘れ物をすることもあるけれど、失敗を経験することで注意力が育つと思うんです。

沼田 そうそう。失敗は、失敗のままやめてしまったらそれで終わり。でもやめずに挑戦を続けたら、いつか成功の糧に変わりますから。

始める前に手を尽くしたら、あとは子どもに任せる

子どもが成長する環境を作ったら、あとはむやみに手出しをしない。難しそうなバランスを見事に保っているのも、お二人の共通点。

Emi 私も時々気にしてしまいそうになるんですが、お母さんたちの中には、先生やほかの保護者から、いい加減だと批判されないか不安に思われる方もいるかも。でも、この先子どもにとって何が大事かを見通せていたら、納得して進めるんじゃないでしょうか。

沼田 僕もEmiさんも、決して放任主義ではないんですよ。目標にたどり着くのに10の力が必要だとしたら、すべてをシステムを作るまでに出し切っているだけで。

Emi せっかちなんでしょうね(笑)。手出しをせずにいられるのも、その頃にはもう次の仕組み作りを考え始めているからかも。

沼田 中には、準備は0のまま自分の常識でスタートして、怒ることで10使い果たす人もいるんじゃないかな。でも、それじゃ同じ力を使っても効果は出ませんよね。

Emi うまくいかなかったときは、また仕組みを変えればいいだけ。動き出したら、まずは信じて任せることが大事だと思います。

沼田 子どもたちも、手出しされずに自分の力で結果を出せたほうが、達成感を味わえるはずですよ。

--お二人が、その姿勢を貫ける理由はどこにあるのでしょうか。

Emi 息子や娘のことを、子どもというより一人の人間として見ているからかもしれません。私自身が、二人に対して上から意見できるほど優秀な子どもじゃなかった、というのも大きいですね(笑)。

沼田 僕も、よく生徒に「すごい、オレはそんなことできなかった!」って言ってます(笑)。大人と子どもの線引きをしないのも一緒。1年生と、政治や戦争について、この年齢なりのディスカッションをしたりもしますよ。まだ早いからと制限せずに、経験させてみるのもありなんじゃないかな、と。

Emi 私は、友達との飲み会に子どもたちを連れていくことも。ただし時間は早めに設定。これも賛否両論あるかもしれませんが、私の場合は、自分が楽しい場所に子どももいる、子どもに大人の世界の魅力を感じてもらえる――家族みんながごきげんでいられることを優先しよう、と考えています。

大人にも子どもにも役立つ、親子で一緒に読みたい本

今回発売される「満点ゲットシリーズ せいかつプラス」の『マナーとルール』『整理整とん』は、沼田さんが監修を担当。ともに小学校教諭ならではの視点が光る、生きたノウハウを学べる内容です。

沼田 『マナーとルール』では、きれいごとより「周りが気持ちいいことが大事」という要点が伝わるように意識しました。『整理整とん』は、実は僕の苦手分野。できない人が考えたものだけに、わかりやすくなっているとうれしいですね。この本に携わって、僕はかたづけられているわけではないけれど、特に困ってもいないな、と気づいたのは新しい発見だったかも(笑)。

『ちびまる子ちゃんのマナーとルール』より。
家庭や学校を舞台に成長していく子どもたちの描写がリアル。生きる知恵ともいえる内容は、大人の心にも響くはず。

『ちびまる子ちゃんの整理整とん』より。
まるちゃんが部屋で誕生日会を開くのを目標に、整理整とんに励む様子が描かれる。随所にワークシート形式ページも。

Emi 家は、美しいことがゴールとは限りませんよね。ご自身がストレスを感じないなら、今の状態で十分。きっと、先生が生活と性格を掛け合わせて暮らしを成立させられているんだと思います。

沼田 今後必要になったら、またこの本を読んで頑張ります(笑)。子どもはもちろん、大人のやる気も刺激してくれるはずなので。

Emi 本当に親子で一緒に読むのにピッタリ。共通の話題のきっかけにもなってくれそうですよね。


撮影/鈴木静華 ヘア&メイク/室橋佑紀(ROI) 取材・原文/藤本こずみ

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LEE編集部 LEE Editors

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