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飯田りえ

告知後すぐ満席に!大人気の子育てのお悩み相談室 【ママカフェ】に潜入

  • 飯田りえ

2018.10.17

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こんにちは。ライターの飯田りえです。
前回、『子どもの自己肯定感を引き上げる10の魔法のことば』の著者である石田勝紀先生にインタビューをさせていただきました。(前回記事はこちら)その中で印象的だったのが、子どもとの関わりの中でママがいかに満たされているかが大切ということでした。

これまで教育者として多くの子どもや家族と関わり、母親の影響力の強さを痛感してこられた石田先生。子ども自らがぐんぐん伸びる子になるには、ママ自身が充実していて、子育てを楽しむことが一番! その為にはがんばりすぎてストレスフルなママを緩ませる ”場” が必要だな、と始められたのがこの【ママカフェ】なのです。今回、私も子育ての悩みを持つ親として一緒に参加させて頂きましたので、その様子をじっくりとレポートしたいと思います。

コンセプトはズバリ!ママたちをいかに緩ませるか

きっかけは2年前、石田先生がお悩み相談されている連載コラムのオフ会をしよう、ということから企画がスタート。最初は少人数でしたが、とにかく話が盛り上がり「次回はいつですか?」とその場でレビュラー化が決定したそうです。今では年間70回以上開催され、告知後5〜6分ですぐ満席になってしまうほどの人気イベントに。さらに今年の6月から『認定ファシリテーター』を育成し、全国各地でママカフェコミュニティをどんどん拡大しています。

コンセプトは「ママたちの心を緩ませること」。オシャレなカフェで美味しいスーツを食べながら、教育について、育児について日々の悩みを語り合うのです。双方向のコミュニケーションが取れるよう、最大でも15人まで。石田先生の教育者としてのプロの視点と、軽快で笑いの絶えないトークが人気で、毎月参加されるリピーターも多数いらっしゃるそうです。通常参加費は1,000円で、その収益の一部が寄付されるボランティア活動なのだとか。今回のリズラボキッチンで開催の場合は、パンケーキと飲み物付きなので参加費3000円ですが、それにしても良心的な価格ですよね。

ママカフェに来る→悩みを話して気付きを得てスッキリ→ママ自身の心がほぐれる→満たされて元気になる→家に帰って育児を楽しむ。この好循環が訪れると、子どもへのことばがけもプラスになり、子どもへも好影響! しかしこんなにうまくいくのでしょうか…。

百聞は一見に如かず。9月某日、表参道にある米粉パンケーキで有名な「リズラボキッチン」で開催されましたママカフェに、潜入してきました。

この日のテーマ「子どもが自立する親の言葉がけ」

まず最初に参加者15名でお子さんの年齢と今悩んでいることなど、簡単に自己紹介します。小〜中学生のお子さんを持つママたちが多いかと思いきや、お子さんの年齢が0歳〜29歳までと幅広いママ層にびっくり!親子のコミュニケーション課題は年齢に問わず普遍的なのですね。

通常、石田先生がテーマに沿ってファシリテートされますが、この日はゲストティーチャーをお呼びしての勉強会も兼ねていました。この日のテーマは親業(ゴードンメソッド・コミュニケーション・トレーニング)シニアインストラクターの今井真理子さんによる『子どもが自立する親の言葉がけ』について。

ゴードンメソッドを開発されたトーマス・ゴードン博士はアメリカの臨床心理学者で、ノーベル平和賞にも3回ノミネートされました。今井さん自身も三人のお子さんをお持ちで、元々はバリバリの教育ママ。しかし、子育てや子どもとの関わりの難しさを感じていた時に、このゴードンメソッドに出会ったそうです。

「伝え方」の大切さ、をペアワーク通じて実感…!

まず、ゴードンメソッドによる「聞き方」や「伝え方」、そして特徴的な「対立の解き方」、この三つの基本的なコミュニケーション法をペアワークし、「自分がこう言われたら嫌だな」「こう言われた方が前向きになれるな」を体感します。中でも印象的だったのが「伝え方」でした。

例えば「掃除したいからおもちゃ片付けて!」ではなく、遊んでいる子どもの想い(=楽しく遊んでいた)をまず受け止める→でも「お母さんは来客があるから掃除をしたくて困っている、どうすればお互い良いかな」と伝える→子どもたちは自ら考えて、お互い良い解決策を見つけられるよう動く。

今までの自分は子どもの思いや言葉のやりとりもなく、子どもの行動結果だけを思い通りに変えようとしていた…と反省。この考え方は、今後ぜひ実践してみたいです。

石田先生の教育軸とも多くの共通点があり、親業のアプローチ法もスッと入ってきました。そんなワークの途中でも、リズラボキッチンの名物・米粉のパンケーキが運ばれてきましたよ! ワークしつつ、パンケーキも食べつつ、インスタにも上げつつ…。セミナーとは違って終始、和やかなムードなのもママカフェの良いところですね。



一期一会だからこそ、素直に話せるコミュニティ

勉強会の後は、いつもの石田先生のお悩み相談へ。育児で困っていること、教育で悩んでいることなどを率直にぶつけます。例えば「時間がないときはどう言葉がけを?」「最近嘘をつき始めた5歳児にどうすれば」「反抗期の中学生にどうやって声かけを?」などなど。私も質問したのですが『こんなピンポイントな相談でもいいのかな…』と思いきや、年齢や悩みの種類は違えども、どこかしら皆さんの子育てとリンクする部分は必ずあるそうなので、余計な気を使わずに聞きたいことを聞いて良いとのこと。

それに対して、石田先生と今井さんがそれぞれの考え方に基づいて解決策をポンポン提案してくださいます。考え方や方法など「それにはオススメのメソッドありますよ」と、教育の専門家が惜しみなくアドバイスして下さるので、この安心感には変え難いものがありますね。 しかも、どれも完結明瞭な回答で、モヤモヤと悩んでいた自分がバカバカしくなるぐらい。あと、ママ友同士ではない一期一会の出会いなので、普段話しにくい内容も言えてしまうこんなコミュニティ今までなかった! ママたちが元気になる理由がよくわかりました。

毎月参加しているリピーターの方曰く「こんな私でも母親やっていていいんだって思うようになりました。ママカフェの後、しばらく子どもに優しくなれるので、最近では『ママ、石田先生のところに行ってきたね!』と言われます(苦笑)」。さすが、2年以上も通っていらっしゃるとママ自身の自己肯定感も変わってくるのですね。数日経てばまたいつもの自分に戻ってしまう、だからこそ意識的に継続して通っていらっしゃる方も多いのですね。

ママたちが楽しめば子どもが変わり、未来が変わる

今年から募集したファシリテーター制度もその一環ですが、石田先生はこのママカフェを時間が許す限り開催し、全国へと広げたいそうです。前回のインタビューの時もこうおっしゃっていました。

2000人のファシリテーターが全国にいて、その方々が毎回10人のママを呼んで年50回ママカフェを開くと計算上年間100万人のママたちの子育てが楽しくなります。その子どもたちがさらに自分の得意な分野を伸ばし楽しめば、未来は変えられます。515歳ぐらいの人口1000万人いますから、その中の1割いれば日本の未来は明るいですよ。私はそこを目指したいのです。」

日本の将来を見据えた上でのこのママカフェ。まさに、自分たちの子育てが、明るい未来を作っていくことに直結していて、そのためにはイライラしないで、楽しみながら子育てをしていく大切さを改めて実感しました。最後に、今回のママカフェで登場した、石田先生の名言集をダイジェストでご紹介します。

ママの内面が変わると見えてくるものが変わるので、とにかく楽しんで!

反省しない、深刻にならない「またやっちゃった、次はこうしよう」でOK!

子どもの教育のことだからと言って、ママは聖人君主にならなくていい

親子のパターンができてうまくいかないなら、それを崩してみる、実験してみる

何かを伝える時、くどくど言うのではなく、短く相手に何かを感じさせる余白を残す。優雅に引き上げること!

一時が万事。とにかく自分が好きなことに熱中させて。ほかが万遍なくできていなくても、一つ飛び抜ける何かができたら、最終的には全体が上がってきます

 

本を読むだけでなく、やはり自分も身を置いてコミュニケーションをとることが大切ですね。実際に悩み相談をして見て、すぐにでも試してみたいメソッドが増えました。自分も子どもとの関わりの中の楽しむ術をここに行けば教えてくださると思います。そのほか、オンラインママカフェや講演会などでも開催されていますので、詳細は石田先生のHPでご確認ください。(撮影/齊藤 晴香)

子どもの自己肯定感を引き上げる10の魔法の言葉」集英社

石田 勝紀(いしだ かつのり)一般社団法人教育デザインラボ代表理事、都留文科大学特任教授

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。これまで3500人以上の生徒に対し直接指導。講演会、セミナーなど間接的指導含め、5万人以上を指導。いわゆる詰め込み勉強をさせず「心の状態を高め」「生活習慣を整え」「考えさせる」の3つを柱に指導をすることで学力上昇のみならず、社会に出ても活用できるスキルとマインドを習得させてきた。現在は特に、「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」という志のもと、ママカフェ、執筆活動、講演活動を精力的に行っている。国際経営学修士(MBA)、教育学修士(東京大学)。http://www.ishida.online/

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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