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津島千佳

気軽に田舎体験! サービスを手がけるのは、意外なあの企業

  • 津島千佳

2018.09.08

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東京に住んでいると、もっと子どもに自然と触れ合わせた方がいいのかな、と思うことがあります。キャンプとか行ってみたいけれど、私自身めちゃくちゃインドアなので、何から始めたらいいのか、わからない。
そんな時、知人に教えてもらったのが『いきつけの田舎 touch』。現地に精通している案内人が、田舎でしか体験できない経験を提供する田舎体験サービスでプログラムも多彩。スローキャンプにトレッキング、収穫や田植え・稲刈り体験、古民家での生活体験、星空観望会など、都会では経験できない内容ばかり。

暮らしのヒント執筆者の上紙さんも同じくルポしていましたが、キャンプ経験値が低い私&幼い息子のコンビでも、案内人がいればどうにかなるのか……ドがつく初心者視点でご報告したい。ということで、八ヶ岳での森で行われたスローキャンプに参加してきました。

緑いっぱいの環境でなにもしない贅沢

場所はJR中央線茅野駅から車で20分ほどの場所にある、八ヶ岳の立場川キャンプ場。

東京はまだまだ猛暑が続いていた8月末に遊びに行きましたが、標高が1200mもあるので涼しく、ちょっとした避暑気分を味わえました。
案内人は山好きが高じて横浜から八ヶ岳に移住した藤田然さん。

案内人の藤田然さん。

彼が提案しているのは、できるだけ何もしないスローキャンプ。だからこのプログラムでは藤田さんがダッチオーブンで作ってくれる昼食を食べるぐらいで、他の予定はありません。毎日何かしらのスケジュールがある身としては、暇を持て余さないか、と不安でしたが、現地に来れば、そんなのはノープロブレム。

近くに小川があり、子どもたちはさっそく水遊び。全然準備をしてこなかったアウトドア下手でしたが、順応性がある子どもは身一つで遊びまくっていました。またこのイベントのよさは、複数のファミリーが参加しているところ。初対面でも子ども同士だとすぐに仲よくなって、一緒に遊んでいました。

ハンモックも用意されており、ハンモック初めての息子は大喜び!

案内人の作ってくれた昼食を食べ、また終了時間までのんびりとした時間をすごしました。
ほぼイベントのない5時間のプログラムでしたが、意外とあっという間。東京にいたらすごせないシチュエーションで、何もしない時間というのは大人にとってかなり贅沢な時間かも。

そして『いきつけの田舎 touch』を行っているのは自治体や宿泊施設かと思いきや、みなさんもご存知の意外な企業が手がけているのです。

インターネットの会社が田舎体験サービスを提供する理由とは?

『いきつけの田舎 touch』を運営しているのは、インターネットサービスプロバイダーのSo-net(ソネット)。インターネットの会社と田舎体験って全然結びつかない…。ということで、サービスを担当するソニーネットワークコミュニケーションズの大隅直亮さん、三田龍彦さんにお話をうかがいました。

右:大隅直亮さん、左:三田龍彦さん

ーー『いきつけの田舎 touch』を始めたきっかけから教えてください。
So-netは20年に渡ってネットワークで人と人をつなげてきました。会社のコンセプトに”つなげる”があり、『いきつけの田舎 touch』もそのコンセプトに則って、田舎と都会や親と子どもなどをつなげるを目的として立ち上げました。

ーー特に田舎にフォーカスしたのはなぜですか?
僕(大隅さん)は今年38歳で、4歳と7歳の子どもがいます。今はキャンプブームですし、情操教育にもいいと聞くので子どもにも自然体験をさせたい。だけど僕は都会生まれ都会育ちで、自然体験をあまりしたことがありません。

外遊びの情報はネットでも出てきますが、僕の自然体験の経験値が低いのもあって、本当にここで子どもたちは満足できるのか、って確信が持てないままでした。

僕自身が外遊びをしたかったことに加え、インターネットサービスプロバイダーの会社が外遊びを提供したら意外性があっておもしろいんじゃないかな、と思って上司にかけあったのが最初。

当初はプロバイダーの会社らしく、WEBカメラを設置して24時間好きな時に農家さんの様子が見れるアイデアが出たんですよ。でも実際に農家さんと話し合っていくうちに現地に遊びに行った方がもっとおもしろいかな、と思うようになって。それで現在の方向にシフトチェンジしました。

スローキャンプで出された地元の新鮮野菜。

ーー「いきつけの田舎 touch」はどのエリアで展開していますか?
長野県佐久市、長野県富士見町・原村、山梨県丹波山村の3ヶ所です。佐久市は2010年からSo-netが植林活動をしていたので話をしやすいかな、と思っていたのですが、実際はすごく大変でした。でも地元の方からすれば「東京からインターネットの会社が来て、何をするんだ」って思うのは最もなことで。

地元の方たちから信頼を得ないことにはサービスをスタートできません。何度も佐久市役所に通って、地元の人たちにもたくさん会いました。いろんな場所も見ました。僕らが心からいいと思わないと、地元の人には見抜かれるので、じっくり付き合っています。ユーザーの方に安心・安全な田舎体験を提供するため、僕らがしっかり繋がっているエリアばかり。今後もどんどんスポットを増やすのではなく、一つ一つの土地としっかり向き合っています。

地元との信頼関係を築けているから、体験の内容は各地の案内人が自ら企画立案してくれるものがほとんど。おかげで季節を感じられるリアルなラインナップになっていると思います。

ーーどのような方の利用が多いですか?
リリースして1年ですが、ファミリーでの利用が多いですね。その土地だけでなく、案内人のファンになる方も多く、リピーターもいます。

ーー今後の方向性も教えてください。
実はエリアに含まれている山梨県丹波山村は「うちの地元でも地域おこしとして協力したい」との申し出を受けて、ラインナップに加えさせてもらいました。このサービスを通じて地元やガイドのファンが増えればいいですし、交流人口や移住者が増えれば経済効果も上がります。社会貢献という意味ではすごく意義のあるプロジェクトだと思います。今後は行政も巻き込んで『いきつけの田舎 touch』の価値を伝えていきたいですね。

『いきつけの田舎 touch』はSo-netのインターネット接続サービスを利用している人以外でも、So-netメンバーズコース(So-netのIDだけ持っている会員)に入れば利用できます。自然と触れ合いたいママはお子さんと一緒に訪れてはいかがでしょうか?

 

『いきつけの田舎 touch』公式サイトはこちら!
https://www.so-net.ne.jp/touch/

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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