LIFE

あなたを幸せにする家にまつわるお金の話

読者のリアルな悩みをプロが診断!【住宅ローン】賢い借り方・返し方は?

  • LEE編集部

2018.07.29

この記事をクリップする

一生で一番大きな買い物である「家」。金額が大きいだけに、勢いで買っちゃうのは実はコワい!?

家を買えば一安心、というわけにもいかず、LEE世代は教育費に老後の資金と、まだまだたくさんのお金が必要・・・
あなたと家族が安心して幸せに暮らしていくコツを、家とお金のエキスパートにレクチャーしていただきました。

この記事は2018年1月7日発売LEE2月号の再掲載です。


これから家を買いたい&購入済み読者の
住宅ローンの賢い借り方・返し方診断

「家をこれから買いたいけれど、希望のものを買っても大丈夫?」
「家を買って住宅ローンを返済中……これで問題ない?」

そんな読者のプランを、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんが診断!条件が近いケースをぜひ参考にしてみて。

これから家を買いたい人は?

 

File – 01
4歳の長男が小学校入学までに購入希望

Jさん の場合
妻 32歳・会社員
夫 32歳・会社員
子ども 4 歳、0 歳

2020年に長男が小学校入学予定。それまでに家を買いたいが、タイミングはこれでよいのかが不安。
妻は現在育休中だが、2018年春より時短勤務で復帰予定。住宅ローンを夫婦で借りたほうが、住宅ローン控除がおトクになるかを知りたい。

 

● 手取り月収・ボーナス
月収 53万円
妻18万円 夫35万円
ボーナス 75万円 妻のみ

● 現在の家賃
11万6000円(駐車場代含む)

● 現在の貯蓄額
1600万円
普通預金700万円 定期預金400万円
財形貯蓄500万円

● 毎月の貯畜額
11万5000円
普通預金2 万円 財形貯蓄7 万円
貯蓄型保険2 万5000円

● この1年でできた貯畜額
100万円

● 予定している物件価格
4000万円

 

診断結果
毎月の返済額を算出して確認してみて

「総貯蓄額が1600万円とハイペースで貯蓄できているので、住宅購入はあまり心配がありません。小学校入学のタイミングで買うのもよいと思います。
ただ、引っ越しにより下の子が保育園に入れない事態になれば、一時的に妻が働けずに収入がストップまたは減るリスクも。保育園事情は確認しておきましょう。

住宅ローンは基本的には65歳までで、全期間固定金利で組みましょう。仮に800万円の頭金を入れて3200万円を30年で全期間固定金利1.5%で借りると、毎月の返済額は約11万円です。

また、夫婦で住宅ローンを組んで住宅ローン控除を考えているそうですが、今後3 人目の子どもを考えていれば、育休中は戻ってくる税金もなくなるので減税のメリットを受けられません。子どもは2 人で、ずっと仕事を続ける予定なら、夫婦で住宅ローン控除を受けるのはおトクです」(ファイナンシャルプランナー深田晶恵さん

 

● 毎年しっかり貯蓄できていて
住宅購入への大きな不安はなし
● 小学校入学のタイミングは
家の購入時期としてよい
● 妻が働き続ける場合は夫婦で
住宅ローン控除を受けるとおトク

File – 02
二世帯住宅を考えています。注意点は?

Cさん の場合
妻 31歳・会社員(育休中)
夫 33歳・会社員
子ども 0 歳

昨年子どもが生まれて、部屋が狭くなったので広い家に引っ越し希望。これを機に夫の実家に二世帯住宅を建てたいと思っている。
夫婦共働きのため、建築費はすべて夫婦で出してもよいと考えている。賃貸併用住宅にして、家賃収入もあるとローン返済が楽になるかもと検討中。

 

● 手取り月収・ボーナス
月収 47万円
妻20万円 夫27万円
ボーナス 200万円
妻100万円 夫100万円

● 現在の家賃
11万円

● 現在の貯蓄額
1000万円
普通預金950万円 投資信託50万円

● 毎月の貯畜額
7 万5000円
普通預金5 万円 投信積立1 万円
学資保険1 万5000円

● この1年でできた貯畜額
80万円

● 予定している物件価格
2000万〜3000万円

 

診断結果
必ず相続のことまで含めて検討を

「二世帯住宅を建てる場合、一般的には両親に一部資金を援助してもらうケースが多いですが、Cさんは親御さんの持っている土地に夫婦のお金だけで家を建てようと検討しているとのこと。将来土地の相続問題にもつながるので、親子の負担割合を含めてよく話し合いましょう。

兄弟がいれば念のため確認しておきたいところです。仮に頭金を600万円入れて、2400万円を32年間、金利1.5%で借りると、月のローン返済は7 万8734円で問題はなさそうです。
ただし、二世帯住宅は玄関や台所を一緒にするか分けるかなどにより、費用が思った以上に大きくなることも。無理のない金額に収まるよう十分気をつけてください。

また、賃貸併用住宅は空室リスクがあるため、空室で賃貸収入がなくてもローンを返済し続けられるかをシミュレーションしておくことが大切です」(ファイナンシャルプランナー深田晶恵さん

 

● 相続問題に直結。
事前に家族でよく話し合いを
● 頭金もしっかりあるので
希望の物件は問題なさそう
● 二世帯住宅は仕様次第で
高額になりがちなので注意

 

購入済み・ローン返済中の人は?

 

File – 01
ローンの借り換えや繰り上げ返済が気になります

 

Eさん の場合
妻 32歳・専業主婦
夫 32歳・会社員
子ども 4 歳、1 歳

2017年の6 月に住宅を購入して住宅ローンを返済中。超低金利時代になったことから、ローンの借り換えの話をよく聞くので、借り換えたほうがおトクなのかと気になりつつ、イマイチよくわかっていないのでアドバイスをもらいたい。

 

● 手取り月収・ボーナス
月収 30万~32万円
ボーナス 80万円

● 物件の購入時期/金額/頭金の額(諸費用分を除く)
購入時期 2017年6 月
金額 2450万円
頭金 0 円

● ローンの残高/金利/残り年数/完済時の年齢
2500万円/10年固定0.9%/残り35年/67歳

● 月々のローン返済額
6 万3000円
このほか管理費、修繕積立金、駐車場費で1 万6000円

● 現在の貯蓄額
300万円
普通預金100万円 財形200万円
このほか学資保険の積立額30万円

● 毎月の貯畜額
2 万5000円~ 3 万円(ボーナス時は増額)
普通預金5000~ 1 万円
財形貯蓄1 万円 学資保険1 万円

● この1年でできた貯畜額
45万円

● 返済について希望
繰り上げ返済を頑張って夫の定年の60歳までには返したい。

 

診断結果
繰り上げ返済より教育費が最優先

「住宅ローンの借り換えが気になっているとのことですが、10年固定が0.9%とかなり低い金利で借りたばかりなので借り換えるメリットはありません。今のままでOK。

また、繰り上げ返済を考えているそうですが、現在の総貯蓄額が300万円ほどなので、繰り上げ返済をするとお子さんの教育費が貯まらなくなってしまいます。仮に繰り上げ返済をしても、かなり低い金利で借りているので効果は大きくありません。

今は住宅購入で減った貯蓄を回復させていく時期。2 人のお子さんの教育費を確実に貯めていくために、繰り上げ返済よりも貯蓄を最優先にしましょう。

夫が60歳になるまでお金をしっかり貯めていき、60歳の段階で繰り上げ返済をしても決して遅くないと思います。もしそれまでに1000万円以上の大きな貯蓄ができたら、その一部で繰り上げ返済をしてもよいですね」(ファイナンシャルプランナー深田晶恵さん

 

● 低い金利で借りたばかりなので
現段階では借り換えは不要
● 繰り上げ返済の効果は低い。
今は教育費の貯蓄を最優先で
● 繰り上げ返済は60歳でも◎
それまでにしっかり貯めて

File – 02
手元の貯金は投資に回したほうがいい?

Hさん の場合
妻 33歳・会社員
夫 33歳・会社員
子ども 4 歳、2 歳

妻は時短勤務中だが、定時近くまで仕事をすることもあり、給与は多め。夫のローンが変動金利なので、低金利の今のうちに借り換えをしたほうがよいのか迷っている。資産は普通預金が中心なので、もっと投資に振り分けたほうがよいのかも考え中。


● 手取り月収・ボーナス

月収 約60万円(妻25万円 夫35万円)
ボーナス 200万〜250万円(妻100万円 夫100万〜150万円)

● 物件の購入時期/金額/頭金の額(諸費用分を除く)
購入時期 2014年6 月
金額 3780万円
頭金 1000万円

● ローンの残高/金利/残り年数/完済時の年齢
妻 820万円/15年固定1.38%/残り32年/65歳
夫 1750万円/変動 借入~現在0.65%/残り32年/65歳

● 月々のローン返済額
8 万2000円 妻3 万2000円 夫5 万円

● 現在の貯蓄額
710万円
普通預金130万円 定期預金270万円
持株(妻)270万円 (夫)40万円
このほか貯蓄型の終身保険支払額170万円
子ども名義の投資信託20万円

● 毎月の貯畜額
17万8000円
普通預金11万5000円(うち4 万円は大きな出費のための積立)
貯蓄型終身保険3 万円
個人年金1 万8000円
持株(妻)1 万円 (夫)5000円
このほか子ども名義の投信積立2 万円

● この1年でできた貯畜額
150万円

● 返済について希望
繰り上げ返済は低金利のうちは考えていなくて、貯金をしながら投資にも回したほうがいいのかもと検討中。ただ妻の分は、金利が上がる15年目までに完済したほうがいい?

 

診断結果
教育費は安全確実な貯金で増やそう

「夫が変動金利で借りているローン残高は1750万円とそれほど多くないので、借り換えはまだ検討しなくていいと思います(残高が3000万円くらいの大きな金額の場合は、固定金利への借り換えをすすめます)。

教育費を貯めることを優先させたい時期なので、手元の貯蓄を減らさないことが大切。妻の繰り上げ返済を急ぐ必要はありません。住宅ローン控除がある10年間は、お金をしっかり貯めていきましょう。10年たったら、夫婦のうちで金利が大きいほう、返済総額が大きいほうから繰り上げ返済を検討してもよいと思います。

とはいえ、繰り上げ返済の目安は、ローン残高より貯蓄総額が上回ったときなので焦らずに。投資に関心があるとのことですが、すでに子ども名義の投資信託や妻の持株会、個人年金なども行っているため、今は安全確実な貯金を積み上げていきましょう」(ファイナンシャルプランナー深田晶恵さん

 

● 繰り上げ返済や投資より
安全確実に教育費を貯めて
● ローン残高が多くないので
焦って借り換えはしなくてよい
● 繰り上げ返済する場合
高い金利で残高の多いほうから

イラストレーション/前田はんきち 取材・原文/西山美紀
この記事は2018年1月7日発売LEE2月号『あなたを幸せにする家にまつわるお金の話』の再掲載です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
今読者が求めている情報に寄り添い、LEE、LEEweb、通販のLEEマルシェが一体となって、毎日をポジティブな気分で過ごせる企画をお届けします!

LEE公式SNSをフォローする

閉じる

閉じる