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佐々木はる菜

赤ちゃんでも年長さんでも…映画館の「子連れ向け上映回」のありがたさを実感した理由

  • 佐々木はる菜

2018.06.07

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小さな子ども連れで気兼ねなく映画が観られる、映画館の子連れ向け上映回。
昔から映画館で映画を観ることが好きだった私は、まずは下の娘が赤ちゃんだった頃に「映画館で大人向けの映画が観られる!」と感激しながら、大変お世話になりました。

抱っこしていれば大丈夫な赤ちゃん時代はもちろん、動き回るようになってからも、そして5、6歳と大きくなってからも、年齢に応じた楽しみ方ができる「子連れ向け上映回」。これからの梅雨どきや酷暑時のおでかけの選択肢としてもおすすめなので、実際の上映中の様子や、6歳3歳兄妹のいる我が家流の楽しみ方をご紹介したいと思います。

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小さな子どもと一緒に、気兼ねなく映画館に行ける理由

現在、様々な映画館で開催されている、小さな子どもとその保護者のための上映回。
上映中も、照明は明るめ・音量は小さめ・空調も弱めにしてあるところが多く、また、子連れで映画を観に来るお客さんのために、おむつ替えや授乳スペースを多めに設けてある、女性スタッフが常駐してサポートしてくれるなど、映画館ごとに様々な配慮をし、赤ちゃんに優しい環境を用意してくれています。

そして、その場に集まるお客さんはみんな同じ「小さな子ども連れ」なので、「赤ちゃんが泣いてもおしゃべりしてもお互い様」という想いのもと、気兼ねなく映画を楽しめることが何よりの魅力だと思います。

実際の館内の様子は?本当に泣いても大丈夫??

私自身が昔から子どもたちとよくお世話になっているのは、TOHOシネマズの「ママズクラブシアター」です。劇場ごとに異なりますが、毎月1~2回程度、木曜日に実施されており、内容は子ども向けのアニメから大人向けの映画まで様々で、前月の下旬頃にHP上で翌月の上映予定作品が発表されています。

上映されるシアターと同じフロアまでベビーカーで入ることができるのも、小さい子連れには嬉しい配慮。入り口付近のスペースにズラリと並んだベビーカーは圧巻!また、チャイルドシートもたくさん用意されており、兄妹で使わせていただきました。

※シアター内の座席での様子は上映開始前に撮影し、掲載許可をいただいています。

シアター内は、上映が始まっても明るめで子どもの表情などもはっきりわかります。何度か利用していますが、年齢はやはり赤ちゃん~2歳くらいまでのお子さんが多く、春休みや夏休みなどの時期になると、少し大きな子の姿が増えるようになります。映画館に行く際は羽織りものが手放せない私ですが、「ママズ」の際はそんな心配もないくらい空調も弱めで、過ごしやすい点も安心です。

毎回、始まる前から何名かはすでに「ギャン泣き」と言える状態のことも多いですが、そこは皆さんお互い様。泣いている赤ちゃんをあやすお母さんや、周りの方のご迷惑にならない場所で、お子さんを抱っこ紐に入れ揺らしながら寝かせにかかっている方もたくさん見かけます。もちろんおとなしく座っている幼児さんもいますが、それでも、飲み物を出すために荷物を探ったり、ポップコーンなどを食べる子どものお世話をしたり…と、子連れだと大人もなかなかじっとしていられません。でも、周りも皆さん同じ状況なので多少ゴソゴソ動いても気兼ねしないところも、ありがたいなと感じます。

ちょっと「背伸び」な映画にもトライできる!

「ママズ」のコンセプトが「赤ちゃん&ママ・パパのための上映回」ということもあり、よく見かけるのは2歳くらいまでのお子さんで、6歳3歳となった我が家の兄妹は対象年齢からすると少し大きめ。でも、最近になってまた「ママズ」を利用する機会が増えています。

一番大きな理由は、ふたりともそれなりにお話の筋を理解し、物語のストーリー自体を楽しめるようになってきたので、観る映画のバリエーションを増やして行きたいと思うようになったことです。

少し前までは、いわゆるTVアニメとして放映されている子ども向け番組の映画版しか観に行ったことがなかった我が家。もちろんそれらも面白く、良い体験ではあるのですが、「ママズ」上映回を利用することで「親の私が子どもたちに観せたい」と思う映画を一緒に観に行けるようになりました。

この春休みも、アカデミー賞を受賞した長編アニメーションを観るため、「ママズ」上映回を利用しましたが、自分の好きなアニメの映画ではないので、息子は行くのをかなり渋っていた上に、上映時間が2時間20分とかなり長めなことも不安要素でした。でも、「家族の絆」が大きなテーマで、少しわからない部分があっても触れてほしい作品だと思っていたため、子どもたちをなだめすかしながら連れて行きました。

映画が始まってからも息子は帰りたがるし、娘は上映中に4回も「トイレ!」と言い出すしで、正直なところ何度か本当に途中で帰ろうかと思ったくらいでした…。しかしだんだんと映画に集中し始め、最後には、「面白かった!観に来てよかった!」と大満足だった息子。娘も、どこまで理解できたかはわかりませんが「わたしたちは“かぞく”だよね!」とちゃんと感想を述べてくれて、親としてはとても嬉しい体験となりました。
その日の上映はわりと遅めの時間だったのですが、夕暮れの中、3人で手を繋ぎながら「映画っていいね!」「家族だね!」と言い合いながら帰宅し、子どもたちがちょっとだけ大人になったような、嬉しさと切なさが混じったような、忘れられない経験となりました。



子どもたちと「映画館」を楽しむことができる喜び

今は自宅でも新旧様々な作品を楽しむ方法が色々ありますが、個人的には、できれば子どもたちを「映画館に連れて行く」機会もたくさん持てたらいいなと思っています。
私は昔から映画が好きです。特に若い頃は、ひとつの作品に大きな影響を受けることがあり、未だにその感動は忘れられません。また、「様々な映画館に行って映画を観ること」自体も、他では得られない楽しく貴重な体験だと感じてきました。そういう想いを、できれば子どもたちに伝えて行きたいし、一緒に観に行ってくれるうちはそれを共有できたら嬉しいです。

映画館にしかない雰囲気ってありますよね!シアターに向かうまでもワクワク♪

映画館だとスムーズに買ってもらえる「ポップコーン」なども、大きな楽しみのひとつのようです笑

でも実際は、子どもふたりを連れて普通に映画館に行くのはなかなか難しいのが正直なところ。
上の息子は、自分の好きなアニメならばそれなりに静かに最初から最後まで楽しめるようになってきましたが、下の娘は、まだ途中で立ち歩きたがってしまい映画1本をずっと座っておとなしく観るのはちょっと難しい…前述の長編アニメーションも、通常の開催だったら諦めていたと思いますが、「ママズ」のおかげで一緒に楽しむことができました。

親子共にストレスの少ない環境で楽しむことができ、大画面の前に一緒に並んでひとつの映画とゆっくり向き合うことができる「子連れ向け上映回」。映画館に行くワクワク感や、映画の感想を話し合う時間も貴重で、親も子どもと一緒に新たな世界を広げる良い機会になっていると感じています。
「これまで行ったことがない」という方はもちろん、「しばらく行ってなかったな」という方も、次のおでかけはぜひ、お子さんと一緒に家族みんなで映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか?

赤ちゃんと一緒に入れる ママズクラブシアター || TOHOシネマズ

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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