30代から知っておきたい「乳がん」のこと

【乳がん体験談】宣告されたその日に全摘手術を即決。命を最優先で

家族に説明できる治療法を選択。全摘でも迷いはなかった

無事に手術も終わり、手術の約半年後には乳房再建手術を行いました。当初のスケジュールどおりに治療は進んでいるそうで、現在は再発を防ぐためのホルモン治療中。毎日の薬と3カ月に1回の通院のみで、日常を取り戻しているとのこと。手術のために入院した2週間前後以外は仕事もほぼ休まず(!)、現在に至ると言います。

それにしても、川崎さんの乳がんとの向き合い方はどこまでも強く、潔く、ポジティブ。迷いを感じることはありませんでしたか?

「優先すべきものがはっきりしているので、悩まないですね。それは、やっぱり家族です。
私はこれまで、家族をたくさん巻き込んできてしまった。離婚したときは、前夫との子どもである長女から父親を奪ってしまったし、再婚後に会社が傾いたときには、夜逃げ同然で引っ越ししたこともありました。
私のすることはすべて家族に影響する。特に、今回の乳がんは初めて死を意識して、自分がいなくなったら夫は、娘たちたちはどうなるのだろうと肝を冷やしました。親子3人で路頭に迷っている映像がリアルに浮かんできて……。だから、迷いがないプロジェクトを遂行できたのだと思います。
きちんと説明ができる、エビデンスのある治療法を選ぶことが家族への誠実さだなと素直に思えたし、それが全摘手術であっても抵抗はありませんでしたね」

川崎さんは最近、再発防止のために「健康にまつわることが苦手で、これまで忌み嫌っていた(笑)」という運動もスタートさせました。これもまた、川崎さんなりの、家族への誠実さの表れなのかもしれません。

乳がんをきっかけに、より明確に、シンプルに考えられるようになった気がします。再発したらまた家族は心配するし迷惑をかけるから、医者にすすめられたものは意固地にならずに、素直に受け入れる。運動もそのひとつです。
また、仕事に関しても、私は仕事が好きでやりたいこともたくさんあるので、あれもこれもと事業に手を出してしまうところがあったんです。病気を経て、時間は有限なんだと身をもって感じたことで、本当にやるべきことか、どういう仕事を選んでいきたいかを整理することができました
いろいろなことがおさまるところにおさまったなと。私にとっての乳がんは、ブレイクスルーのきっかけだったのかなと、今は思いますね」

そう清々しい表情で語る川崎さん。「いっぱい転んでもいいけど、タダでは起きたくないですよね」と続けます。

「これまで幾度となく『なんで私が?』という経験をしてきて、乳がんはその最たるものだったと思うのですが、『自分はなんて運が悪いんだ』というスパイラルに入ってしまうとよくない
どんなに大変でも乗り越えられるし、どんなにつらいときにも笑いはあるんです。なんでも“ネタ”にできることって大事なんじゃないかなと思います。
自分をできるだけニュートラルな状態に保って『これってヤバくない? ネタじゃね?』と思えれば、どんなときもやっていける。……死ぬこと以外だったら、絶対になんとかなるんです」


撮影/名和真紀子 ヘア&メイク/千葉智子(ロッセット) イラストレーション/macco 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2018年2月7日発売LEE3月号『30代から知っておきたい「乳がん」のこと』の再掲載です。

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