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人には言えない下半身の3大悩みケア

「膣トレ」&「膣ケア」やり方は? どうすればいいの?

  • LEE編集部

2018.05.08

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常につきまとう悩みにもかかわらず、人に相談しにくいし、病院を受診するにも勇気がいる"下半身"のトラブル。
10年、20年後も元気でキレイでいるために、下半身のケア、始めましょう!

この記事は2017年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。


気になる「膣ケア」&「膣トレ」、やり方は?どうすればいいの?

近頃、よく耳にする「膣」に関する話題。 女性にとって、いい膣と健康はイコールです!
が、そもそも、大事な部分なのに「膣」について実はよく知らない、という人も多いよう。

「まずは自分の膣の作りや内臓の位置を知りましょう」と話すのは、医学博士、女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀先生。

「そのうえで、日々の膣のケアをするわけですが、膣には内部に侵入してきた細菌を殺したり、侵入を防ぐ自浄作用があります。
また、常在の善玉菌が悪玉菌の増殖を抑えるなどの働きも。蒸れてニオイがしたり、生理ナプキンやおりものシートを替えずに不潔な状態にしておくのは膣炎の原因になりますが、清潔を意識しすぎもまたNG。適度なケアがポイントです

【 膣の図解 】

「おりもの」はあって当然のもの

「おりもの」は子宮や膣から出る分泌液。老廃物を運び出し、内部に細菌などが入り込むのをブロックする役割もあるので、ないと困るもの。おりものを見れば健康状態もわかるので、チェックする習慣を!

健康なおりものは、透明に近い乳白色。下着につくと黄色がかった色に変化します。黄色が濃すぎたり、緑色、茶色、血が混ざっているなどの場合は、なんらかの病気の可能性あり。

常に一定ではなく、ホルモンバランスのリズムに合わせて増減するのが特徴。排卵期と妊娠中に増え、月経が近づくと減少。体調で左右されたり、体質によって量は人それぞれなので、自分の量を確かめて。

形状

正常なおりものはやや粘度のある液状。ヨーグルト状やぽろぽろとしたカッテージチーズ状、酒粕状、泡状、黄色っぽい膿のような形状の場合は、膣炎や病気の疑いが。ニオイや色とあわせてチェックして。

 おりものシートでかぶれちゃう!

おりものを過剰に気にしてシートを使っていると、刺激で外陰部の皮膚がトラブルを起こすことも。
また、長時間替えずにいて細菌が繁殖する場合もあるので、使う場合はおりものの多い時期だけにするのが◎。

 外陰部の洗い方は?保湿はした方がいい?

皮膚の強い人はボディソープで洗ってもOKですが、弱い人はお湯だけに。
洗った後はクリームなど保湿剤を塗って乾燥を予防。特に脱毛をしていると皮膚が乾燥しやすいので、保湿ケアは必須。

 ビデは使いすぎないほうがいいの?

ビデは本来、セックス後に膣内を洗い流すためのもの。月経時に使う人もいるかと思いますが、排尿のたびに洗ったり、おりものを減らすために洗うのはやりすぎ。
膣内を清潔に保つ常在菌まで洗い流してしまい、かえって膣炎などのトラブルのもと。

心身のあらゆるトラブルは膣トレで予防・解消できる!

子どもを産むと膣がゆるむ、とはよくいわれること。多くの女性は生活に困らない程度には戻りますが、自然に任せていては加齢とともにまたゆるんでいきます。

「膣がゆるいと何がいけないのか。夫婦生活の満足度が低くなり、セックスレスになりがちというのはありますが、LEE世代は女性ホルモンも出るし筋肉もしっかりあるので、健康上は問題ありません」と関口先生。

「ただ、40代後半以降、ホルモンや筋肉が減ってきたときが要注意。膣がゆるいままということは、骨盤底筋が衰えているということ。ゆくゆくは、尿もれや頻尿などのトラブルのもとに
最近では、出産経験のない若い女性でもこうしたトラブルは増えており、尿もれパッドの売れ行きがここ10年で3割も増えているとか。

これは、日々の暮らしが便利になって下半身の筋肉を使わなくなったことが大きく関係しています。
和式トイレでしゃがむ、床を雑巾がけする、階段を上るといった動作は、下半身の筋肉をくまなく使い、同時に骨盤底筋を鍛えることになります。これらが少なくなっている現代の生活では、意識して骨盤底筋を鍛え、膣トレをすることが大事なのです」



締める・ゆるめるを自在に!「膣トレ」

膣自体は自分の意思で締めたりゆるめたり、といったことはできません。膣をとりまく筋肉を含む骨盤底筋の動きによって、膣を圧迫したり解放することが、膣トレになります。
骨盤底筋がしっかりしていれば膣のゆるみもなくなり、尿もれや頻尿、内臓下垂などさまざまなトラブルが起きにくくなります。下に並べたレベルは医療現場でも使われている基準(オックスフォードスケールというもの)。こちらを参考にセルフチェックしてみてください」(関口先生)
※妊娠中に行う場合は主治医に相談してからにしてください。

膣の締まり具合を自分でチェック

レベル1:ほとんど収縮が感じられない
レベル2:膣の動きはあるが、収縮は感じられない
レベル3:指で抵抗を加えなければ膣を締められる
レベル4:指で強めに抵抗を加えても抵抗するように、膣を締められる
レベル5:指を吹い込むように強く膣を締められ、かつ指を上に持ち上げられる

★チェック方法:お風呂の中で指2本

膣トレをするには、自分自身で触ってみるのが一番!
中の様子や収縮の程度など、直接自分の指で確かめてみましょう。

バスタブにつかって、リラックスして行いましょう。
体育座りをし、人さし指と中指をゆっくり膣に入れていきます。徐々に第二関節まで入れたら、下腹とお尻の力を抜いて膣にギュッと力を入れてみて。
自分の膣の締まり具合がどのレベルか確認。30代ならレベル3以上が理想的です。

慣れたら朝晩の習慣に!「基本の膣トレ」

どんな姿勢でも膣トレはできますが、体に余計な力を入れないようにまずは寝てやるのがおすすめ。

基本の姿勢

仰向けに寝て、両ひざの間を握りこぶし1つ分あける。ひざの下に枕やクッションを入れて少し高さを出し、ひざが自然に曲がるような体勢をとるとやりやすい。

やり方

息を吐くときに尿道や膣、肛門を体の中に吸い上げるようにキュッと力を入れ、2~3秒キープしたら、ゆっくり息を吸いながらゆるめる。これを10回ほどくり返して。慣れたらキープする秒数を増やすと、より効果的。

呼吸法

骨盤の両サイドの出っ張りのすぐ内側にある「腹横筋」という筋肉の位置をチェック。息をゆっくり吐きながら肛門と膣にギュッと力を入れて。同時に、腹横筋がかたくなっているか確認。力を抜いたときに自然に息を吸って。

慣れてきたら電車の中でも膣トレ

普段の姿勢をよくするだけでも、骨盤底筋を鍛えて膣トレの効果が。椅子に座る際に肛門、膣、尿道にキュッと力を入れ、背すじをまっすぐ伸ばして。人知れずできるので、電車の中でもぜひ。

膣トレはいつから始めればいい?

「かつては出産後1カ月から膣トレをしたほうがいいといわれていましたが、最近は初潮が来たらトレーニングを始めるのが理想的といわれるように。若いうちから膣トレを習慣化しておくことで、出産時の骨盤底筋のダメージが抑えられ、産後の膣のゆるみも少なくなります」と関口先生。

「とはいえ、LEE世代も今からでも決して遅くありません。何もしないままでは、加齢によって膣は衰えていくばかり。トレーニング次第では膣の内圧は2倍前後まで上げられるといわれています。

膣トレは尿の悩みのほかにも、さまざまなメリットがあります。筋肉を動かすので血流がよくなって冷えが解消される、内臓下垂が解消される、姿勢がよくなっておなかがへこむ、深い呼吸によってストレスやうつな気分が解消されるなど、心身の健康すべてにかかわってくるんですよ


撮影/フルフォード 海 イラストレーション/藤井昌子 取材・原文/遊佐信子
この記事は2017年11月7日発売LEE12月号『人には言えない下半身の3大悩み「痔」「尿もれ」「膣のケア」』の再掲載です。

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