ママの詫び状

母親が「躾」という言葉で美化した暴力を奮う時【ママの詫び状 第7回】

「子どもを叩いたことがある」約7割の人へ——子どもは叩かないで育てられるとまず自分を信じてほしい

子育て中の男女を対象とした実態調査結果によると、過去にしつけの一環として子どもを叩いたことがあったとの回答が70.1%。過去3ヶ月にあった行動で「こぶしで殴る」が6.6%、「頰を平手でたたく」が18.4%存在した。また、「子供の言動に対してイライラする」「育児、家事、仕事の両立が難しいと感じる」「孤独を感じる」「家に引きこもり、子どもを連れての外出が難しい」頻度が高いほど、体罰の頻度も高くなる傾向が見られたのは、私の体験的な実感とも一致している。

「あなたは、たたいたり怒鳴ったりせずに子育てをしていますか」と直球で尋ねた質問への回答が印象的だ。「たたいたり怒鳴ったりせずに子育てをしている」と答えた、うらやましいようなノープロブレム派は34.7%。「子育てでたたいたり怒鳴ったりすることはあるが、しない方法には興味がない」と開き直った(?)のは4.5%。でもそれ以外の6割以上にのぼる大多数が、「たたいたり怒鳴ったりせずに子育てをしたいし、その方法も知っているが、実践は難しい」「子育てで叩いたり怒鳴ったりすることがあるが、しない方法があれば知りたい」と考えている。

子どもをたたいたり怒鳴ったりすれば、その体や心を傷つけることを、私たち大人は(中には自分たちが受けてきた体験からも)もちろんよくわかっている。「愛の鞭」などという言葉で正当化した体罰や暴言が、結果的に子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼす恐れがあるとの研究結果を見たことがある人もいるだろう。そして国連「子どもの権利条約」では、締約国に体罰・暴言などの子どもを傷つける行為の撤廃を求め、既に子どもへの体罰等を法的に全面禁止している国は世界50か国以上に及んでいるのだそうだ。

子どもは、叩かないで育て、導くことができる。それはまず大人がそう信じ、自分に言い聞かせることで初めて実現できること。たたかない、怒鳴らない、ポジティブな子育ての方法を知りたい人は、ぜひ子どもの権利のパイオニアとして約100年の歴史を持つ、子ども支援専門の国際NGO、セーブ・ザ・チルドレンのページをご覧ください。

また、この記事で取り上げた調査に深く協力をしたNPO法人児童虐待防止ネットワークが作成協力した「愛の鞭ゼロ作戦」も、体罰や暴言などの恐怖によるコントロールを用いない子どもとの向き合い方をシンプルに教えてくれるので、忙しい育児の合間にほんの5分でいいから目を通してみて欲しいと切に願っている。

暴力を一切用いずに子どもを育てることは可能。それは、子どもへのあらゆる形態の暴力的な扱いや、心理的虐待に当たる扱いを禁じる法律を導入したスウェーデンの、現在まで35年間の歩みが実証していることだ。痛みを伴わなければ子どもはわからないなんていう独善的な物言いは、子どもも、大人である自分の能力をも過小評価してしまっている「知性の敗北」で……いや、そんな格好つけた言葉じゃなくて、シンプルに「野蛮」だと私は思っている。

 

 

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Writer Profile

河崎環

コラムニスト

Tamaki Kawasaki

1973年、京都生まれ神奈川育ち。22歳女子と13歳男子の母。欧州2カ国(スイス、英国)での暮らしを経て帰国後、子育て、政治経済、時事、カルチャーなど多岐に渡る分野での記事・コラム執筆を続ける。2019秋学期は立教大学社会学部にてライティング講座を担当。著書に『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)。

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