子どもに"ちゃんと伝わる"話し方

ママも自分を褒めて!自己肯定感が親子ともにカギ/小島慶子さん×河崎 環さんweb限定対談【第2回】

海外生活は、社会の多様性を身をもって知るうえで貴重な経験

河崎 小島さんは帰国子女で子ども時代は海外で育っていますが、やっぱり周りには自己肯定感高めの人が多いですか?

小島 どうだろう。それは人によると思う。
海外で壁にぶつかったときに、一緒に超えてくれる人がいたかどうかとか。自分を客観視する視点を、誰のまなざしとともに育んだのかっていうのが肝だなと思います。「帰国子女だから小島さんこうなんですね」って言われると、いつも複雑なものがあって。
0歳から3歳まではオーストラリアで過ごしました。そのあと日本に来て、小学1年生の途中から3年生の終わりまでは、香港、シンガポール。いずれも多様性の高い社会だったんです。
濃密で均質な日本人コミュニティと、同じような密度を持ったインド人コミュニティ、中国人コミュニティ、マレー人コミュニティ、イギリス人コミュニティ……それらが、すぐ隣り合っていて。

世界は重層的に成り立っていると体感したし、ミクロなものの集合体の中に世界が映し出されているのを、肌感覚で知ることができたのは、本当によかった。シンガポールでは近所の日本人の子どもたちに仲間はずれにされていたので、ここだけが世界ではないと思えたのは、私にとって救いでもあったんです
“ごった煮”みたいな場所に身を置くのって、不安だけど自由でもある。そういう意味ではいろんな場所で生活できたのはよかったなと思います。

河崎 今、ご自身がオーストラリアに移住されて子育てしていらっしゃいますけど、日本での子育てのプレッシャーや環境と、向こうでのものは違うとお感じになりますか?

小島 うーん、オーストラリアの教育は、息子たちには合っているなと思いますね。

河崎 今、現地校ですか?

小島 現地校です。もう英語に問題はなく、普通に通ってます。ただ、外国だからいいって話ではないと思うんですよ。世界のどこにも完璧な教育なんてないし、多様性は、この日本社会にだって満ち溢れている。

河崎 そうですよね。

小島 目の前で同じ日本語をしゃべっていて、同じような目の色をしていて、同じ社会の流行を生きてきた私たちだけど、実は全然、同じじゃない。でも気づきにくいんですよね。見た目や言葉が共通していると、違いがすぐに見えないし、聞こえないから。
体を置く場所が変わるって、それだけで発見が多いのは確か。私はオーストラリアでは、超マイノリティなんです。日本から引っ越して来て、言葉も不自由で、現地では仕事もない。夫も無職。とても弱い存在で、日本にいるときとは世界が全然違って見えます。
息子たちも最初は「どうして僕の髪は黒いの?」「僕は家では日本語だけど、彼は家ではイタリア語しゃべってるんだ」「何であの子はいつもスカーフかぶってるんだろう」とか、たくさん考えたみたい。
自分と他者が違っているということが常に意識される。私がこういう仕事をしているので、日本にいたときは、子どもたちはなんかうちの親イケてるのかなと思ってたみたいですけど、その親が完全に無力な存在になるのを目の前で見て、あれ?ってなったんですよね。英語も俺たちの方が今や10倍できるじゃん、って。彼らが親の小ささに気づいてマイノリティの自覚を持てたのは、むしろよかったと思います。

河崎 確かにそうですね。

小島 しんどい面もありますよ。もちろん息子たちは不安もあるでしょう。だけど、彼らが生きていく時代を考えると、必要な体験なのではないかと思っています。
だってどの道、日本で暮らしたって、同じように“多様性の壁”は超えなきゃいけないんですよ。
多様性というと、これから多様になっていく社会を想像しがちですが、そうではないですよね。今まで「ない」ことにされていた違いに気づくこと。自分が見ている景色を疑い、他者を発見し、平和に共存しながらなんとか食いつなぐ力は、どこで生きるにしても絶対必要。
それをわかりやすいかたちで早くから身につけられるという意味では、海外生活はひとつの選択肢だとは思いますけど、自分の思い込みから自由になれないなら、どこまで行っても住んでいる世界は狭いままです

河崎 自己発見であり、他者発見であり……という両方ができて初めて“多様性”なるものの輪郭がはっきりするわけですもんね。

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