LIFE

よみタイ連載「青いケチャップ、白いカラス」

50歳の自分へ贈ったもの。 浜島直子さんのエッセイ連載が「よみタイ」にて本日スタート!

  • 浜島直子

2026.10.18

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浜島直子さんが執筆するエッセイ連載「青いケチャップ、白いカラス」が、集英社のノンフィクション編集部発のウェブメディア「よみタイ」にて本日、2026年10月18日(日)にスタートしました。

『蝶の粉』(ミルブックス)、『けだま』(大和書房)、『キドアイラク譚』(扶桑社)など、これまで手がけた作品でも、その独自の”はまじワールド”で多くの読者を魅了してきた浜島さん。
50歳という人生の節目を迎えたこの秋、新たな気持ちで綴るエッセイに注目です!

◾️よみタイ連載「青いケチャップ、白いカラス」
毎日は何気ない出来事と偶然の積み重ね。けれど、ふとした言葉や、だれかとの出会いが心に小さな波紋を広げ、ものの見方を変えてくれることがあります。
子育てや仕事、家族との時間の中で揺れ動く感情を丁寧に見つめながら、
当たり前の常識よりも、自分の感覚、大切な人を信じる気持ちを紡いでいくエッセイ連載です。

本日公開された連載第1回は、先日50歳という誕生日を迎えたばかりの浜島さんの心境の変化や、自分に贈ったとっておきのプレゼントについてのエピソード。

ちょっとだけ試し読み!

第1回 50歳の贈り物

先日、50歳になった。

いざ誕生日の朝を迎えてみると背中に羽が生えたように気持ちが軽く、前の駅に置いてきた忘れ物をきっぱりと忘れられるような清々すがすがしさを感じた。

 たった日付が変わっただけでそんな変化が起こるとは。ひょっとしたらただの思い込みか悲壮感の裏返しかもしれないけれど、それでもいい。「若さを引きずったベテラン」から「新しいステージの新人」になり、こびりついていた垢あかを落とした気分だ。新人とは、なんと気持ちの良いものだろうか。

 今振り返れば40代後半はずっとモヤモヤしていたように思う。

 何に対してモヤモヤしているのかわからず、感情の起動装置が錆さび付いているように思考がドン臭く、一番辛かったのは自分の全てに自信が持てなかったことだった。ホルモンバランスがもちろん関係しているとは思うが、どうやらそれだけではないらしいこともうっすらわかっていた。

友達はいるけど趣味がないこと。会話はできるけど深い知識がないこと。持っている服が全部似合わなくなったと感じること。いつも先生に怒られているようにビクビクと気を遣ってしまうこと。これまでの自分の感覚全てが世の中とズレているように感じ、自分の直感にバツをつけてしまうこと。

 名前のない漠然とした不安は地図を霞かすませ、何が正解かわからなくなっていく。バツがどんどん重なっていき、身体が重く疲れやすくなっていく。そしてまたそんな自分が嫌になる。

 何がきっかけで鬱々とした気持ちから抜け出せるかは人それぞれだと思うが、私の場合は数字だった。
 40代から50代という記号のような数字が、しがみついていたものからずずずと無理やり引き剥がしてくれた。もう人生の折り返し地点でもないと思うとポジティブな諦めが生まれた。諦めは執着を手放すことにもなり、新しい自分に生まれ変わったようだった。時間という荒療治も悪くない。

 トンネルを抜けて振り返ってみると、それもまたきちんと用意されたそういう時期だったのだと今では思う。
 自分で自分にバツをつけてしまう苦しさを経験した人は、誰かのバツをばかにしない柔らかさを手に入れられる。これから進む新しいステージは、その柔らかさがあると少し優しい景色になるだろう。

せっかく50という節目の歳なのだから、何か記念になるものをと思い、小さなパールのネックレスを買った。

>>続きは「よみタイ」で!

浜島直子

NAOKO HAMAJIMA

モデル

1976年、北海道生まれ。18歳でモデルデビュー。愛称は“はまじ”。モデルとして雑誌や広告などで活躍する一方、ラジオ番組のパートナーやTV番組のコメンテーター、エッセイ執筆など幅広く活躍。著書に2020年に出版された初のエッセイ本『蝶の粉』(ミルブックス)他、『けだま』(大和書房)、『キドアイラク譚』(扶桑社)がある。

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