

「PMS」についてご存知ですか? 「月経前症候群(PreMenstrual Syndrome)」の略で、生理の3~10日ほど前に始まり、生理になるとおさまる心身のさまざまな不調のことです。 LEE読者にPMSについてアンケートを取ったところ、「実は悩んでいる」という人が多数いることが判明! 今回は、PMSで悩むLEEキャラクター&LEE100人隊の3人が集まって、自身のPMS症状や困りごとなどをトーク。共感し合えることや解決の糸口がいろいろあり、とても盛り上がりました。
3人で本音トーク! PMSで困ったこと

LEEキャラクター 山口友香さん
(37歳、家族は夫・長男7歳・長女3歳)
20代後半からPMS症状が出始め、29歳で第一子を産んだ後から気になって…。特に足のむくみがひどく、朝スッキリ起きられないことが多々。

LEEキャラクター 久嶋亜矢子さん
(42歳、家族は夫・長男8歳・次男6歳)
産前はPMSも生理痛もなかったのに、産後に変化が。今は生理前になると無性に甘いものが食べたくなり、コンビニに駆け込んでしまう……。

LEE100人隊No.084 たわさん
(42歳、家族は夫・長女11歳・長男9歳)
PMS症状は10代のころから感じているけれど、40代に入り肌荒れや気持ちの落ち込みが気になってきて。ポテトチップスなどジャンクな食べ物につい手が伸びてしまうことも。
たわ(以下、敬称略):私もだけど、みんな出産後にPMSが重くなってない?
山口:ほんとに。私は長男出産後、初めての育児がワンオペで、その辛さとPMSが重なって大変だったな。今もイライラや気持ちの沈みこみには手を焼いているけど……。
久嶋:私も。出産前は生理痛もなく、生理期間もさらっと過ぎていたのに。子どもを産むたびにPMSが強くなってる気がする。
山口:出産とPMSって関係があるのかな?
久嶋:子育てで忙しくて、自分の心身をいたわる余裕がないから、疲れもあって症状が強く出てしまうのかもね。
たわ:それ、あると思う!
イライラしたり落ち込みがちな期間中、家族や周りの人にはどう伝えてる?

久嶋:PMSのときって、どうしても夫や子どもにキツくあたってしまうんだけど、みんなはどう?
たわ:私も同じ。だから子どもたちには「ママ、イライラ期に入ったよ」と伝えてるよ。女性には生理があることや、PMSの症状についても普段から教えるようにしてるよ。娘は当事者だし、息子も将来“寄り添える男”になってほしいな、と。
久嶋:それは大切。だんなさんにはどう伝えてる? 私は「夫には言ってもわからないだろうな」と思ってしまって、あまり夫には言ってないの。「お腹が痛いから休ませて」とか具体的な症状を言えば、もちろんいたわってはくれるけど。よく妹と電話して、お互いPMSのことや子育てのこととかを話すんだけど、それにずいぶん助けられてる感じ。
たわ:身近に話せる人がいるっていいね。うちの夫も、やさしい人だけど、男きょうだいの中で育ってきたから、言ってもあまりピンときてない感じはあるかな……。
山口:うちはPMSのことを伝え続けてきたせいか、夫はだんだん理解してくれるようになったよ。テレビなどで特集していると、見て学ぼうともしてくれるし。会話の中で夫の口から「PMS」という言葉も自然に出てくる。それで「オレ、PMSをわかってるって、すごくない?」的なドヤ顔してくるのは、どうかと思うんだけど (笑)。
肌荒れ、食欲増加で体重が増えるなど「健康・美容面の悩み」も実は大きい!

山口:肌荒れはどう? 私は花粉症やアレルギーもあってPMSと重なるとひどくて。接客業だから、普段は肌の管理には気を付けているつもりなんだけど、どうしてもね。
たわ:私はポテトチップスやチョコを無性に食べたくなって、衝動に負けて食べてしまうと、フェイスラインやあごなどのUゾーンに、吹き出ものがてきめんに出ちゃう。それを鏡で見て、また落ち込むという……。
久嶋:夜なのに甘いものががまんできなくなっちゃうんだよね。そのせいでお腹周りも太くなって、生理前はいつも履いているボトムのウエストが閉まらなくなるくらい、体形が変わっちゃうよ。
山口:生理前ってどうしてあんなに刺激物が食べたくなるんだろうね。私は「ラーメン食べたい!」と思ったら、「あ、生理前だな」って目安にしてるくらい(笑)。PMSでむくんでいるのに、辛いものを食べると塩分も摂りすぎて、さらにむくみを招いてしまうという、この悪循環はどうにかならないかなぁ。
そんな「PMS症状による健康・美容面での悩み」対策について、婦人科医がアドバイス

教えてくれたのは…
聖順会ジェノ・ヴェスタクリニック 婦人科医 八田真理子先生
◆「PMS」とは?
「生理前3~10日から始まり、生理開始3日以内に症状が消失するのが特徴。生理が始まるとラクになる、という人も多いですね。代表的な症状に眠気、むくみ、食欲増進、イライラ、気分の落ち込みなどがあります。
排卵が始まって体が妊娠の準備をしている女性には、程度の差はあれ、みな起こるものです。保険病名にはなっていないのですが、PMSに悩む人は月経困難症と並ぶほど多いんです」
◆PMSの原因は?
「はっきりとはわかっていないのですが、2つの女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)のうち、プロゲステロンの感受性の乱れによって引き起こされる、とも言われています。PMSの中でも、生活に支障が出るなど症状が重い場合は「PMDD」と呼ばれ、精神疾患の1つとされています。
PMS自体は昔からあったものですが、昨今女性が社会に出て、感じるストレスが多くなってきたから、クローズアップされるようになったのでしょう。症状が重く出てしまうのは、環境要因も大きく、特にLEE世代は仕事をしながら家のことも子育ても……と一人で何役も担っていて、忙しい人たちも。ストレスが多いとPMSも重くなる傾向があり、『産後にPMSが重くなった』と感じる方が多いのは、育児で手間や時間も取られ、ままならないことが多くなるせいもあるかもしれません。できるだけストレスをためないことや、バランスよく食べる、規則正しい生活や軽い運動などのセルフケアも大切です」
PMS対策1
バランスの良い食事、軽い有酸素運動、十分な睡眠…「基本的な生活習慣」を整えるのが、まずは第一

「むくみや体重増加、肌荒れといった健康・美容面での症状は、生活習慣の改善を第一に。
まず、塩分やアルコール、カフェインの摂取は控えめに。一方で、発酵食品は積極的に摂りましょう。食事は、例えばハンバーガーやうどんといった単品のものではなく、できれば定食のように何品かあるものの方がバランス良く食べている目安になると思うので、おすすめです。

また、むくみの症状と気持ちの落ち込みやイライラなどは相関関係があることが最近の研究でわかっており、むくみ対策をとることはネガティブ感情のコントロールにもつながります。

植物油に含まれる成分でビタミンEの1種の『γ(ガンマ)-トコフェロール』の代謝物は、むくみの軽減が期待される成分と考えられているので、調理する際には大豆油や米油などの植物性油脂を使用するのも良いでしょう。
着圧のスパッツなどをはくのもいいですね。あとは、ウォーキングやダンスなどの有酸素運動も◎。1日30分程度を目安に取り入れてみましょう。毎日がベストですが、1日おきでもOKです」
PMS対策2
食事でとりにくい栄養素・成分は「健康補助食品・サプリメント」なども上手に活用を

「ビタミンB2、ビタミンB6、カルシウム、エクオールも、PMS対策に役立つ栄養素なので、意識して摂りたいですね。
ビタミンB2は、神経作用やエネルギー代謝をスムーズにするために欠かせない栄養素。そしてビタミンB6は、感情をコントロールする神経伝達物質を作るのに必要です。
カルシウムは、心の健康維持に関わる栄養素で、PMS対策にも効果的。特に日本人の女性はカルシウムが不足している人が多いので、意識してとりたいところ。
また、女性ホルモンに似た作用を持つ注目の成分、エクオールは、月経周期にともない変動する女性ホルモンのはたらきを助け、PMSのほか更年期症状の緩和にも役立ちます。ただ、腸内でエクオールを作れる人は若い女性では5人に1人と言われています。
食事が大事とはわかっていても、栄養バランスを整えることはなかなか難しい場合も。それがストレスになってしまっては元も子もありません。忙しい時などは補助的に手軽で継続しやすい、サプリメントなどを上手に活用するのもおすすめです」


Column
「PMS対策のため、こんなこと始めました!」
八田先生のアドバイスをもとに、読者の山口さん、久嶋さん、たわさんの3人がPMS症状改善の生活に取り組みました。感想とともにレポート!
大豆などの発酵食品やカルシウムを強化した食事と、適度な運動を。PMSにいい変化が期待できそうな予感

LEEキャラクター 山口友香さん

「座談会に参加して、悩んでいるのは自分だけじゃないとわかり、気持ちが軽くなりました!
家では、普段から牛乳、チーズ、ホウレンソウなどカルシウム豊富な食べ物はよく食べているほうですが、PMS対策にも良いとわかって、しらす丼やちくわの磯部揚げなど、より意識的に摂るように。 バスケを始めた息子と一緒に軽くランニングする時間もできて、体を動かすようになったこともあり、いい影響がありそうな予感がします」
ハーブティーでリラックスしながら自分の体調と相談して過ごせました

LEEキャラクター 久嶋亜矢子さん

「いつもはPMSでイライラが募るとカフェインやアルコールに手が伸びてしまっていましたが、リラックスする時間を意識して作り、ハーブティーを飲むようにしてみました。心なしか疲れづらく、落ち着いて過ごせた感じがします。先生のさまざまなアドバイスや、同じように悩んでいる友達と話せたことで知識が増え、今までよりも安心してPMS期間を過ごせそうに思います」
ヨガを取り入れるようになったら呼吸も深くなり、気持ちの落ち込みが軽減

LEE100人隊No.084 たわさん

「みんなのPMS悩みのひとつひとつに共感の連続で、語り合えてよかった!と思います。 私自身はリフレッシュや体力づくりのために3カ月ほど前からホットヨガを始めていて、PMSもやわらいでいるのを感じ始めているところ。家でもヨガ動画を観ながら一緒にやったり、自律神経について勉強するなどしています。以前よりも呼吸が深くなって、生理前はすごく気持ちが落ち込んでしまうのがなくなったのも、嬉しい変化です」

●お問い合わせ
大塚製薬株式会社
PMS ラボ
https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/
Staff Credit
撮影/坂本美穂子 取材・文/遊佐信子
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