定期的に歯科検診に行っていますか?
30代・40代の女性は、仕事や家事・育児などやるべきことが多く、自分のことが後回しになりがち…。「子どもの歯のケアは気をつけているのに、自分の歯科検診はなかなか行けていない」という人も多いのではないでしょうか?
正しい「歯内療法※」と歯の健康についての啓蒙活動を行っている「日本歯内療法学会」の調査では、40代は歯の神経を治療する「根管治療」の経験がある人が多い世代であることがわかっています。さらに最新の調査では、「根管治療」をした歯は再治療が必要になることが多く、再治療が必要かどうかを早期に発見するためには、レントゲンによる定期検査が重要であると考える歯科医師が多いこともわかりました。
そこで、忙しいLEE世代にこそ知っておいてほしい、神経治療後の歯のケアで気をつけたいことや「歯内療法」という治療法について紹介します。
※歯内療法…一般的には歯の神経の治療のこと。歯を支える土台としての根(根管)の処置=「根管治療(コンカンチリョウ)」という治療法を行うこと。
40代は歯の神経を抜いたことがある人が多い世代! 再治療を経験している人も多数
「日本歯内療法学会」の調査では、むし歯の治療経験がある人は、30代では7割以上、40代では9割以上という結果に。さらに、30代では4割、40代では6割の人が「歯の神経(歯髄)を抜いた経験がある」ことがわかっています。
グラフを見ると、20代でも3割近くが歯の神経を抜いた経験があり、年齢は関係なく、幅広い世代で歯の神経を抜く治療が行われていることもわかります。
【調査結果】一般生活者に質問
Q むし歯治療で歯の神経(歯髄)を抜いた経験はありますか?
神経を抜いた歯は、痛みを感じにくくなりますが、むし歯にならないというわけではありません。むしろ、むし歯に気づきにくいため、治療が遅れてしまうというリスクがあります。
今回、「日本歯内療法学会」が新たに発表した調査結果では、歯の神経を抜いたことがある人のうち、半数以上の53.4%の人が再治療を経験していることがわかりました。さらに、最初の治療のあと、どのくらいの期間で再治療になったかを調査したところ、70%以上の人が9年以内に再治療を経験したという結果に。
「神経を抜いたことがあるけれど、しばらく歯科に通っていない」という人もいるかもしれませんが、神経を抜いた歯は再治療になることも多く、注意が必要であるということを頭に入れておきましょう。
【調査結果】根管治療(歯の神経を治療)経験者に質問
Q 根管治療(歯の神経を治療)した歯を再治療した経験がありますか?
【調査結果】根管治療(歯の神経を治療)経験者に質問
Q 治療後、どのくらいの期間で再治療になりましたか?
歯を1本でも多く残すためには、歯科検診を受けることが大事!
これからの長い人生において、「歯を1本でも多く残したい」と思っている人も多いのではないでしょうか? そのためには、歯の神経(歯髄)を守ることがとても大事! 日々の歯のケアを怠らず、定期的な歯科検診で歯の状態をチェックし、痛みを感じたらすぐに歯科医を受診して必要な治療をしましょう。
とくに、過去に根管治療(神経の治療)をした歯がある人は、再びむし歯になって発見が遅れてしまうことや、治療を繰り返すことが、歯を失うリスクにつながります。そのリスクを防ぐためにも、定期的に歯科検診を受けることが重要に。事実、歯科医師へのアンケート調査では、多くの歯科医師が、根管治療(神経の治療)をした歯のむし歯の再発を防ぐためには、「レントゲンによる定期検査が有効」と答えています。
一方で、根管治療(神経の治療)をしたあと、定期的な歯科検診を受けている人は半数を下回っていて、定期検診の重要性が周知されていないことが課題に。根管治療(神経の治療)をしたことがある人は、とくに積極的に歯科検診を受けるようにしましょう。
【調査結果】歯科医師に質問
Q 感染根管処置歯の再発を早期に発見するために有効と思われる施策は?
【調査結果】根管治療(歯の神経の治療)経験者に質問
Q 根管治療(歯の神経の治療)後も定期的な検診を受診していましたか
歯を守るために知っておきたい「歯内療法」という治療法
歯内療法とは、自分の歯をできるだけ抜かずに治療することを目的とした治療の総称で、「歯の根の治療」や「神経を抜く」といわれる治療も含まれています。とくに、歯の根の深くにアプローチする治療を「根管治療」といい、この治療にはとくに高度な技術が必要に。
一般の歯科でも「歯内療法」を受けることができますが、専門医の資格を持っている歯科医は「日本歯内療法学会」のHPに掲載をしています。「歯内療法」について詳しく知りたい人、専門医を知りたい人は、チェックしてみてください。
Staff Credit
イラスト/Aikoberry 取材・文/渡辺有紀子