ランドセル選びドキュメンタリー映像が気付かせてくれた“男の子だから”“女の子だから”という「呪い」【宋美玄さんの聴く婦人科診察室＃95】

宋美玄

2023.04.24

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今週はSNS等で「泣けた！」と話題になったランドセルメーカー・セイバンのランドセル選びのドキュメンタリー映像について。ともに男女ママでラン活も経験済みの宋さんと畑江ですが、特に畑江にはこの映像がめちゃくちゃ刺さったようで……。

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#95
今週のよりぬき

「街にはピカピカの1年生がいっぱいですね！　我々の頃と比べ今はランドセルの色やデザインのバリエーションが豊富になりましたよね。宋さん、セイバンのランドセル選びのドキュメンタリー映像は見ましたか？　私、思わず泣いてしまいました」と畑江
子ども達がたくさんのランドセルの中から自分の好きなものを選ぶ。その様子を外から子ども達にバレないように親が見守っている。そこで色々なドラマが……という内容
「本当に嬉しそうに選んでいるんですけど、子どもたちがこんなにも親の気持ちを汲んで行動しているとは思ってなくて……」と畑江
「私は結構汲んでましたけどね。自分が親になってからは極力子どもたちに選ばせようと思ったけど、セイバンの映像で子どもたちが親にある意味忖度してる様子を見て、うちの子は忖度せずめっちゃ自由に選んでるな、と。皆さんが自分と子どもに置き換えて涙してる部分も、うちに置き換えると全く泣けず」と宋さん
この映像、実は1回目はママパパが好きそうなのを選んでね」と子どもたちに指示。それを知らない親は「そうそう、それ可愛いよね〜」と大喜び。が、2回目に「本当に自分が好きなのを選んでね」と子どもたちに指示したら1回目と全く違う色を選んだ、というからくり
「この映像を見て反省して思わず留学中の娘に『キャメルのランドセル、もしかして嫌だった？』とLINEしちゃいました。あと、ピンク選んだ男の子がいたんですけど、『ピンク選ぶのね』と思った自分に『あれ、私って……』と。“男の子だから”“女の子だから”という『呪い』ってありますよね」と畑江
「うちの息子もドーナツはいつもピンクを選んでます（笑）。男性って女性より服とかのカラーバリエーション少ないですしね。賃金は女性の方が下だけど、男の人も『男らしくあれ』と言われて面倒そうですよね」と宋さん
「そういや娘に比べて、息子とはダイバーシティやジェンダーについて話したことないな、と。母がこんななんで、フラットで何でも自分でできる子に育ったけどどめちゃくちゃ考えてしまった……。ちなみにLEE2023年4月号では「男の子ママがぶつかる『性教育』のお悩み相談室」という特集を組みました。何なら女の子ママやパパにもよんでほしいですね」と畑江
「映像、めちゃくちゃ刺さってるじゃないですか（笑）。うちも息子とお風呂入るのは夫の役割なんだけどどこまでケアしているのか……この特集に付箋貼った『LEE』を夫の目のつく場所に置いておこうかな（笑）」と宋さん