エッチな動画を検索？避妊について、アニメに夢中の息子…【男の子の性にまつわるお悩み】専門家がお答えします！

2023.08.05

読者から寄せられた男の子の性にまつわるお悩みの数々。人にはなかなか言えない心配・相談に、産婦人科医高橋幸子さん＆泌尿器科医岡田百合香さんが回答してくれました。

教えてくれたのは
産婦人科医高橋幸子さん

埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター産婦人科医。年間120回以上、全国の小学校、中学校、高校にて性教育の講演を行う。著書に『サッコ先生と！からだこころ研究所』（リトルモア）。LEEweb「私のウェルネスを探して」と、Podcast「宋美玄さんの聴く婦人科診察室」（下記バーコード）の登場回も要チェック！

「産婦人科医・高橋幸子さんが子ども達に伝えたいこと」はこちら産婦人科医の宋美玄さんと高橋幸子さんが性教育を語り尽くします【聴く婦人科診察室＃23】はこちら！

教えてくれたのは
泌尿器科医岡田百合香さん

総合病院泌尿器科に勤務するかたわら、助産院などで「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」を行う。５歳男の子、1歳女の子の母。著書に『泌尿器科医ママが伝えたいおちんちんの教科書』（誠文堂新光社）。

Q
まだ小3なのにエッチな動画を検索している履歴を発見してしまった！どんな対応をすべき？

フィルタリングなどの制限はかけていても、いかがわしい動画や、ネット広告もたくさん子どもの目に触れてしまって困っています。（LEEメンバーちえさん）

「男性の妄想で作られたものだと、伝えるチャンス」（高橋幸子さん）

フィルタリングなど最低限の制限をかけることは大前提ですが、それでも子どもの目に入ってしまうことが多いですよね。エッチな動画を見ている様子があったら、性教育について話すチャンス。

「18歳以上の分別ある大人が見る動画なんだよ」「男性側の『こうだったらいいな』という妄想で作られたフィクションだから、本当のことだと思うと将来人とのコミュニケーションで間違いがあるかもしれないから気をつけよう」という2点をしっかり伝えましょう。（高橋さん）

「小3なら、性の話し合いができるいいタイミング」（岡田百合香さん）

「こんなの見たらダメでしょ」と怒らず、一緒に考えるきっかけにしてみて。性への関心、好奇心は否定せず「実際にやったら相手を傷つけるよね」といった対話を。思春期になると難しいので、小3ならいいタイミングだと思います。（岡田さん）

Q
アニメに夢中の息子、現実の女性とうまくコミュニケーションを取れるか心配です

16歳の息子がアニメオタクで、アニメに出てくるちょっとエッチな女の子が普通だと思っていないかな？と思うことが。（LEEメンバーちよさん）

「口出しはできないから難しい！」（高橋幸子さん）

性行為の経験年齢が上がったり、性行為の経験者の割合が減っているといったデータもあります。その中には、こういったアニメなどで満足してしまう男性も増えているのかなと。昔からいたとは思うのですが、最近はスマホの中で女性を監禁して育てるゲームなど、エスカレートしている部分もあります。特に思春期になれば本人の趣味嗜好に口出しはできないし、難しいですね。できることといえば、周りの大人がいいパートナーシップを見せることかなと。大人が仲よく、いいコミュニケーションを取れていれば、いつか自分もそういう関係を築きたいと思うかもしれない。遠回りですが、本人の気持ちの変化を待つしかないと思います。（高橋さん）

Q
最近、性犯罪のニュースが気になります。将来、息子が加害者にならないために、できることはありますか？（LEEメンバーまりさん）

「ニュースなどをきっかけに、やってはいけなことを話して」（高橋幸子さん）

異性に興味を持つことは悪いことではないので、あまり意識しすぎるのもよくないとは思います。ただ、やはり息子さんが加害者になる心配を抱える人は多いので、例えば盗撮のニュースを見たときに「相手の許可なく写真を撮るのはやっちゃいけないことだよね」と根気よく伝えていくといいですね。（高橋さん）

「「プライベートゾーン」と「性的同意」を教えるのがマスト」（岡田百合香さん）

「プライベートゾーン」と「性的同意」について必ず伝えておきましょう。年齢性別を問わずすべての人に必要な知識なので、保護者もぜひ学んでください。性犯罪の背景にはさまざまな要因がありますが、この2つの考え方を身につけることで加害者となるリスクは確実に減らせます。（岡田さん）

Q
いつか息子に彼女ができたら、親からコンドームを渡したほうがいい？

昔、私の友達は親からコンドームを渡されていました。どんなタイミングで何と言って渡すべきでしょうか。（LEEメンバーすみさん）

「相手を守る大切なものだという意識が大切」（高橋幸子さん）

実際に息子さんにコンドームを渡すかどうかは、その家族の価値観で決めていいと思います。ただ以前、ある高校生カップルの女の子が妊娠したときに、コンドームを使ったか聞いたところ「最初はお父さんからもらったので使っていた。でも、なくなったら買うお金がないから使わなくなった」と彼が答えました。

ただコンドームを渡すだけではダメで、パートナーを守る責任があるから、避妊具を買う経済力がないうちはセックスしないなどと考えられるかどうかが大切。また避妊に関してはコンドームだけでは不十分なので、女の子がピルを飲むかもセットで考えたい。そういう話し合いができるようになってからする行為だと伝えたいですね。（高橋さん）

男の子ママがぶつかる「性教育」のお悩み相談室

次回は、産婦人科医高橋さんおすすめ性教育に役立つ本をご紹介します！

撮影／HAL KUZUYA　ヘア＆メイク／麻生ヨウコ（ilumini.）　スタイリスト／高橋美帆　イラストレーション／あべさん　取材・原文／野々山幸（TAPE）

こちらは2023年LEE4月号（3/7発売）「男の子ママがぶつかる「性教育」のお悩み相談室」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示（2023年3/7発売LEE4月号現在）です。

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