おうち中華で人気のメニューといえば、回鍋肉（ホイコーロー）。ボリュームたっぷりで満足感があって、白いごはんと合うからみんな大好き！　野菜もたっぷり食べられます。

平日でもパパッと作れるようになれば、晩ごはんに困ったときに頼りになること間違いなし！　おうち中華を絶品にする達人、今井亮さんからコツを教わります。

合わせ調味料ワザを使ったシンプルで覚えやすいレシピです。黄金比の味わいがお店の味のようで感動的！　大人も子どもも喜ぶとっておきの回鍋肉です。

これで味が決まる！
回鍋肉の合わせ調味料

この機会に甜麺醤を常備して！

回鍋肉に欠かせない中華の甘みそ。小麦粉、塩、麹からつくられる。甘味のあるこっくりした味

肉は香ばしく、野菜シャッキリ！　甘みそ味は白ごはん必須
回鍋肉

「手早く仕上げたいので、全部しっかり準備してから加熱をスタート。子どもには豆板醤の量を減らしても。甜麺醤は甘いので子どもも好きですね」（今井 亮さん）

材料・2人分

• 豚こま切れ肉……200g
• キャベツ……200g
• 長ねぎ……1/2本
• 塩……少々
• Ａ）
  • 甜麺醤……小さじ2
  • 豆板醤、砂糖……各小さじ1
  • しょうゆ……大さじ1 1/2
  • にんにくのすりおろし……1かけ分
• サラダ油……大さじ1

作り方

1. 豚肉は大きいものはちぎり、塩を振ってもむ。キャベツはざく切りに、長ねぎは斜め5㎜幅に切る。Ａは混ぜ合わせておく。
2. フライパンにサラダ油の半量を強めの中火で熱し、キャベツ、長ねぎを1分炒め、いったん取り出す

歯ざわりよく仕上げるため、野菜はいったん取り出すのがポイント。余熱が入りすぎないよう、バットに広げるのがおすすめ

3. 残りのサラダ油を加え、豚肉を2分ほど炒める

肉は強めの火で焼き目がつくまでしっかり焼き、香ばしさを出す

4. 手前を空けてＡを入れてよく煮立たせる

フライパンの手前を空けて合わせ調味料を入れ、しっかり沸騰させるのが重要なコツ。いきなり素材とからめると温度が下がって、野菜の水分が出る原因に

5. ②を戻し入れて全体を手早く炒め合わせる

野菜を戻し入れ、調味料を手早く全体にからめる。キャベツに火が入りすぎずシャキシャキに

回鍋肉（ホイコーロー）ってどんな料理？

「四川料理の一つで、料理名は“肉を鍋に戻す”という意味。一度ゆでた豚のかたまり肉を、再び鍋で炒めるというのがもともとのレシピです。本来は四川料理らしい辛い味で、野菜は葉にんにくが入ります」（今井 亮さん）。

日本に伝わった当時は葉にんにくがなかったので野菜がキャベツに、肉は薄切り肉に、味は食べやすい甘めになったそうです。

簡単に味が決まる「合わせ調味料」さえ覚えておけば、絶品おうち中華に！

おうち中華の悩みといえば、味がいまひとつ決まらなかったり、もたもたしているうちに野菜がべちゃっとしてしまったり。そんな悩みも今井さんが教えるちょっとしたコツで、すっきり解決！

「中華は炒め始めたら一気に仕上げるものが多いので、準備万端整えてからスタートを。材料が多いと下ごしらえが大変なので、今回ご紹介したレシピは材料の数をできるだけ少なくしてあります。最大のコツは味つけの仕方。

合わせ調味料をあらかじめ混ぜ合わせておいてから、加えてからめます。こうすれば簡単に味が決まるので、誰が作ってもおいしい味になるんです。しかも一度に味つけするので、もたつく心配なし。

この合わせ調味料ワザを覚えたら、同じ味でいろんな素材に応用できるから、すごく便利ですよ。回鍋肉の野菜は軽く炒めたら、いったん取り出すのがポイント。火が入りすぎないので、最後にさっと合わせればいい食感に仕上がります」（今井 亮さん）

教えてくれたのは
おうち中華のプリンス　今井 亮さん

京都の老舗中華料理店で5年間修業後、フードコーディネーターなどを経て料理家に。雑誌、書籍、テレビなどで人気上昇中。2歳の女の子のパパ。近著に『そそる！うち中華』（Gakken）。
Instagram：ryo.imai1931
Twitter：ryomaimai1931
公式サイト：https://ryohappliycooking.wixsite.com/minimal-designer-jp

2022年5月号【フライパンひとつでできる、最高のおうち中華！ レシピを見なくても作れる「回鍋肉」と「麻婆豆腐」】より
撮影／上原朋也　スタイリスト／西森 萌　取材・原文／海出正子