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「チョコとラズベリーのコブラー」レシピ/「歩粉(ほこ)」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子

  • 磯谷仁美

2022.02.01

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シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉ほこ』。“やさしい”味わいを、おうちでも再現できる“やさしい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます!

#2「チョコとラズベリーのコブラー」

「チョコとラズベリーのコブラー」レシピ/「歩粉(ほこ)」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子

「コブラー」というお菓子は、季節のフルーツとクランブル状にした粉を一緒に焼き上げる、おおざっぱな感じで作れるアメリカの家庭菓子。

私が、初めてコブラーと出会ったのが、学生の頃にアルバイトをしていた大阪の「カンテ・グランデ」というインド喫茶。
ど~んと添えてあるホイップクリームがとけていく、温かいピーチコブラーがあまりに美味しくて! もう私にとって忘れられない、衝撃のお菓子となりました。

それから私の中では、コブラーは寒い時季に食べる温かいお菓子!というものに。
歩粉を恵比寿でスタートさせてから、現在京都の店でも、冬の定番として大事にずっと作り続けています。

材料(16×16×高さ4cmの耐熱皿 もしくは 20.5×16×3cmの琺瑯バット1枚分)

  • A)
    • 薄力粉……75g
    • アーモンドパウダー……20g
    • ココアパウダー……15g
    • きび砂糖……40g
    • ベーキングパウダー……3g
    • 塩……1g
  • バター(食塩不使用。なければ有塩バターで、上記の塩をなしにしてもOK)……40g
  • 牛乳……140ml
  • 溶かしバター(食塩不使用。同上) 20g

【トッピング】

  • ビターチョコレート(粗く刻む)……適量
  • バナナ (1cm厚にカット)……適量
  • ラズベリージャム(イチゴやブルーベリージャム、マーマレードなど、お好みのジャムでも)……適量
  • ラズベリー(冷凍でも生でもOK。その他、ブルーベリー、いちご、みかん、缶詰の桃でも)……適量
  • バニラアイスクリーム or ホイップクリーム(生クリームに10 %程度の砂糖を加えて8分立てに泡立てる)……適量

下準備

  • バター(溶かしバターでない方)は1cm角に切り、冷蔵庫で冷やしておく。
  • 牛乳は冷蔵庫で冷やしておく。
  • オーブンを180℃に予熱しておく。
  • トッピングを用意しておく

作り方

  1. Aが入ったボウルに冷たいバターを入れ、指先でバターをつぶしながら、粉に混ぜ込んでいく。両手ですり合わせ、さらさらの状態にする(フードプロセッサーがあれば、かく拌するとラク)。
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方①
  2. ①に牛乳を2回に分けて加え、その都度ゴムべらで、とろりとした状態になるまで混ぜる。
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方②
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方②-2
  3. 耐熱皿に溶かし用のバターを入れ、180℃のオーブンで2~3分加熱し、溶かす(ラップをかけて電子レンジで30秒~1分加熱してもよい)。
  4. ③に②を流し入れ、ゴムべらでやさしく混ぜる。
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方④
  5. トッピングの具材をまんべんなくのせる。
    ラフでOKですが、写真のように縦2列にジャムを落とし、その上にチョコレート、フルーツをのせるときれい。
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方⑤
  6. 180℃のオーブンで約20~35分、様子を見ながら焼く。途中で天板の前後を返す。
    20分以上焼いて表面が焦げてきそうなら、アルミホイルをかぶせて焼く。
    中央(チョコレートの溶けていない部分)に竹串を刺し、何もついてこなければ焼き上がり。
    少し粗熱が取れたくらいが最高の食べ頃です。バニラアイスクリームをど~んと盛り付けていただく。
    「チョコとラズベリーのコブラー」作り方⑥

事前に作っておいて冷めた状態の場合は、必ず温め直してくださいね。このコブラーは、温かい状態でないと美味しさが半減、いや大半減…してしまうので。

温め直す場合は、180℃のオーブンで4分ほど、もしくはラップして電子レンジで3分くらい、生地を触ってみて温かくなっていればOKです。



歩粉的おいしさのヒミツ

クランブルに牛乳を入れて型に流して焼くだけなので、工程は意外と簡単。
今回は、おうちで作りやすい材料でさらに簡単に……とレシピを見直しました。

溶かしバターに生地を流し込むって、慣れない作り方かと思いますが、手軽なので恐れずチャレンジしてみてくださいね。底がバターでコーティングされるから、焼いたあと生地がこびりつきにくく、オーブンペーパーを敷く必要もないのがらくちん。
耐熱皿の形状によって中で混ぜにくければ、生地を入れたボウルに溶かしバターを混ぜてから型に流し込んでもOKです。

「チョコとラズベリーのコブラー」完成

トッピングは、すべてお好みの量で。
チョコレート生地に、ベリー類、特にラズベリージャムは最高の組み合わせ。お好みのジャムで、マーマレードなど柑橘系も合うと思います。

私は、ビターチョコが好きですが、お好みのチョコレートをご自由にどうぞ!
チョコとジャムはたっぷりめに入れる方が美味しいです。
フルーツも気分や季節によって変えてみてくださいね。
バニラアイスクリームもしくは、少し甘みを加えたホイップクリームを最後にのっけるのもお忘れなく。

型は、イッタラ・ティーマのスクエアプレートや、野田琺瑯のバットのキャビネサイズなどがぴったり。
アルミの型(100均でもいろんなサイズで売っています)で焼けば、ホームパーティーに器ごと持って行ったり、バレンタイデーなどのプレゼントにも◎。

「コブラー」って、ちょっと聞き慣れないお菓子なだけに、話題性もあるはず。
ワクワク作ったり食べたり贈ったり、楽しんでくださいね~。

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『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月1回更新。
次回は3月1日に更新予定。お楽しみに!

製作・撮影/磯谷仁美 バナー写真撮影/津久井珠美

磯谷仁美 Hitomi Isotani

「歩粉(hoco)」店主

おいしい焼き菓子やデザートと、ぬくもりのある空間が大人気のカフェ『歩粉』の店主。2015年2月まで東京・恵比寿で、スイーツ好きから圧倒的な支持を集めるも、建物の都合で閉店。その後、渡米。偶然が重なり「シェパニーズ」でインターンシップを経験するなど、アメリカンベイキングを学ぶことに。帰国後、2018年に京都・大徳寺そばに現店舗をオープン。著書に『歩粉のお菓子』(文化出版局)、『歩粉のポートランド&バークレー案内』(誠文堂新光社)、『朝食おやつ』(文化出版局)など。

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