【試し読みあり】様々な思いを抱えて戦う女戦士に共感必至『CLAYMORE』

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CLAYMORE
八木教広

人を喰らう“妖魔”が跋扈する世界で、妖魔たちに対抗するために生み出された半人半妖の女戦士たち。銀の瞳で妖魔の存在を見抜き、背に負った大剣で戦う彼女たちは、大剣の名にちなんで“クレイモア”と呼ばれていました。中世ヨーロッパを思わせる世界で、悲しみを背負った美しい女戦士たちが壮絶な闘いを繰り広げる本格ダークファンタジーです。

男性向けというイメージが強いファンタジーというジャンルですが、女戦士たちがそれぞれの思いを抱えながら戦う様を描いた本作は、女子も感情移入できるエピソードがいっぱい。ぜひチャレンジしてみて！

重厚な世界観と壮大な展開に震えるダークファンタジー

八木教広先生による、知る人ぞ知る名作！　前作『エンジェル伝説』がギャグ漫画だったので、ギャグ一切ナシのひたすらシリアスモードが続くダークファンタジーな本作とのギャップにも驚かされました！　圧倒的画力にも舌を巻きます。

人を捕食する魔物“妖魔”VS半人半妖の女戦士“クレイモア”との戦いが主軸で、最初から重々しい雰囲気に気が滅入るも続きが気になってグイグイ引き込まれ、物語中盤からは「そう来たか！」と唸ってしまう重厚な世界観と壮大なストーリー展開で天晴れの一言！　ぜひ最後まで読んで展開に震えて頂きたいです！

“妖魔”におびえる村人たち

物語は、中世ヨーロッパを思わせる村から始まります。人の姿に化けて村に紛れ込み人を食らう“妖魔”の襲撃におびえる村人たち。

なんとか難を逃れようと“クレイモア”を呼んだと告げる村長の話を聞き、恐れおののく村人たち。妖魔から救ってくれる救世主でありながら、妖魔と同じく恐れられる“クレイモア”。果たしてどのような存在なのでしょうか？

力のために妖魔の血肉を取り込む女戦士“クレイモア”

何も知らない少年・ラキに、兄はクレイモアたちについて教えます。妖魔に立ち向かうためにその血と肉をとりこんだ彼女たちはが「銀眼の魔女」「銀眼の斬殺者」などと物騒な二つ名で呼ばれていると聞き、驚きを隠せないラキ。

その時、村長の依頼を受けた一人のクレイモアが村に到着します。村長や村人たちは彼女を化け物呼ばわりして忌避しますが、ただ一人、ラキだけは彼女を濁りのない真っすぐな目で彼女のことを見つめるのでした。

俺の両親は妖魔に殺された

クレイモアに興味を抱いたラキは、彼女の後をついて回り、親しくなりたそうに話しかけます。クレイモアも、警戒心を持ちつつ、徐々に少年と言葉を交わすように。すると、少年はなぜ彼女の後をついて回るのか、悲しい過去を語り始めて……。

うまかったぞ おじさんの肉は

クレイモアと別れて帰宅したラキの目に飛び込んできたのは、血を流して倒れ込む親代わりのおじさんの姿。その背後には、優しかった兄が口の周りを血だらけにしてたたずんでいたのです。

実は、ラキの両親を襲った妖魔が兄の体まで乗っ取り、村人に紛れ込んでいたのでした。驚きのあまり身動きが取れないラキに、襲い掛かろうとする妖魔。そこに現れたのは……。

クレイモアの強さのわけは……

妖魔を見つけたクレイモアは、眼の色を金に変えて戦闘モードへ。半人半妖を自らより劣る存在と見下す妖魔を、面白いほど鮮やかに斬り捨てるのでした。その姿はまさに「銀眼の斬殺者」──これを機に妖魔にかかわったものとして村を追われたラキと、クレイモアとの長い旅が始まるのでした。

掲載誌の休刊を乗り越えつつ13年に渡って描かれた壮大な少女たちの戦いの物語。超絶画力で描かれるダークファンタジー大作に向き合うには、読み手にもエネルギーと時間が必要な部分がありますが、秋の夜長はそんな作品に挑戦する絶好のチャンス。ぜひ、全巻読み終わった瞬間のカタルシスをぜひ味わってみて！

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文・構成／トミザワヒナ