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対談連載 はまじの「ずっと好きでした」

【はまじ×りゅうちぇるさん対談】三食食べられてぺこりんと息子がいれば十分幸せ!

2021.10.10

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対談 連載 はまじのずっと好きでした。ゲストりゅうちぇるさんタレント 「幸せの基準が本質的なものになりました」

はまじ×りゅうちぇるさん対談

奇抜なスタイルとジェンダーレスなキャラクターで、一躍ブレイクしたりゅうちぇるさん。一見、浮世離れして見えるけれど、実はとってもクレバーなしっかり者。その子育て観にも注目が集まっています。そんなりゅうちぇるさんをゲストに迎えた今回の対談。はまじも目からウロコが落ちっぱなしです!!

気分は『フットルース』から、『ビバヒル』に変わった感じです

はまじ りゅうちぇるさんのことは、デビュー当時からウォッチしていますけれど、実際お会いすると、めちゃくちゃきれいなお顔立ちですね。驚くほどのかわいらしさ!!

りゅうちぇる ありがとうございます。うれしいです。

はまじ トレードマークだったブロンドヘアも最近は黒髪に変えて、すごく新鮮です。イメチェンですか。

りゅうちぇる いえ、10年近く月イチでブリーチしていたので、髪の毛がもう死んでしまって(笑)、地毛にせざるをえなくなりました。

はまじ そうでしたか。でも、すごく似合ってるし、落ち着いた雰囲気になりましたね。最初に「ぺこ&りゅうちぇる」でテレビに出始めた頃は、ビジュアルも含め衝撃的でした。ピンクのチークにヘアバンドして、ジェンダーレスな言動で。「な、なんや、この子たちは!?」「宇宙人か!?」みたいな(笑)。

りゅうちぇる あははははは!!

はまじ カラフルでポップなスタイルは、昔から好きだったんですか。

りゅうちぇる はい。海外ドラマの影響で、アメリカ~ン!って感じのスタイルが好きでしたね。エアロビクスの格好をマネて、夏でも毎日カラータイツはいたりして(笑)。出身が沖縄なので、身近にアメリカ人を見て育ったし、古着なんかもアメリカのものがたくさん入ってくるし。そこからインスパイアされたというのもあります。

はまじ ヘアバンドを外してからは、ちょっとモード感が増しましたね。

りゅうちぇる 軸は変わらないけれど、80 ’sから90 ’sになった感じです。『フットルース』から『ビバリーヒルズ青春白書』に(笑)。考え方も今はすごくシンプルになりました。

はまじ それはどんなふうにですか。

「三食食べられて、ぺこりんと息子がいれば それで十分幸せです」 (りゅうちぇる) チェックシャツ¥7590/BUD カーゴパンツ¥4290/原宿シカゴ 竹下店 アクセサリー/すべて本人私物

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りゅうちぇる 以前は、もっと有名にならなきゃ、もっと稼がなきゃって、焦る気持ちもあって、すごく疲れていたんですけれど、今は朝昼夜ちゃんと食べられて、ぺこりんと子どもがいればいいやって。幸せの基準が本質的なものになりました。大事なのは愛と感謝だとはっきりしてるから、悩みもシンプルに解決できるようになりました。

はまじ それ、すごくわかるなぁ。私も若いときは、モデルとして写真を1カットでも多くしたいとか、どうしたらあの子より華やかに見せることができるだろうとか、うわべのことばかり気にしていた時代があります。でも土台となる土をちゃんと耕して、お水をあげないと、にじみ出るものが薄っぺらいものになってしまう。だから一番大事なのは日々の生活なんですよね。それを25歳で悟ってしまうりゅうちぇるさん、やっぱりただ者ではないな。

浜島直子さん 「土台がしっかりしてないと輝けない。 大事なのは日々の生活なんですね」 (はまじ) (浜島さん)ブラウス¥36300・パンツ¥39600/マックスアンドコー ジャパン カドルカフス¥22000/ジュエッテ

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「子育ては、あまり怒ったりせずに自由にのびのびとやらせたい」(りゅうちぇるさん)

はまじ ぺこさんとは、5年前に結婚して、息子さんももう3歳ですね。子育てはどうですか。

りゅうちぇる 楽しいです。生まれてすぐはたいへんでしたけれど、「おっぱいをあげること以外は、なんでもできるから」とぺこりんに言って、仕事の合間にお風呂に入れに帰ったり、夜中にミルクあげたり、ぺこりんが少しでも休めるようになんでもやりました。

はまじ それはぺこさん、幸せですね。子育てが思いどおりにいかなくて、イライラすることはないですか。

りゅうちぇる 息子がコップの水をこぼしたり、何か物を壊したりして、「しょうがないなぁ」と思うこともあります。でも、それって砂遊びと一緒で、経験することで子どもはいろいろなことを覚えていくので成長には必要なこと。だからあまり怒ったりせず、のびのびやらせてあげたいです。

はまじ 自由なのが一番ですよね。

りゅうちぇる そうですね。「こうあるべき」という強要が僕自身、一番嫌だから、子育てもそこを一番気をつけています。知らずにやりがちなので。

はまじ りゅうちぇるさん、ちゃんと子どもと向き合っていてすごい。

りゅうちぇる でも、それが僕の中では当然というか、家事も育児も女の人がやるものっていう考えのほうが逆に変だと思うし、「イクメン」という言葉にも違和感を感じます。

はまじ それはもう共感しかない。

りゅうちぇる 以前、イクメンの賞をいただいたことがあるんですが、自分の子どもを育てて賞をもらう国なんて日本だけですよ(笑)。授賞式でも「どうですか、育児に参加されて」とか聞かれて、「はぁ? 参加!?」って、その言葉にモヤモヤして不機嫌になっちゃって(笑)。「パパだけど、育児してすごいよね」みたいなのが前提としてあるのが本当に嫌でした。男性が育児をやって褒められるようなことはなくなればいいと思うんです。

はまじ 本当に「イクメン」という言葉がなくなるくらい、普通のことになったらうれしいなと思う。ちなみにうちの夫はりゅうちぇるさんと同じ考えで、子どもが生まれたとき、「子育てで父親ができないのは授乳だけ」「夫婦二人の子どもなんだから、夫婦で一緒に育てるのが当たり前」って言ってたんですね。

りゅうちぇる 素敵ですね。

はまじ そしたらちょうどテレビで、ヨーロッパのある村で、ヤギの赤ちゃんがお母さんから引き離されて、一晩中、泣き続けたと。そしたらお父さんヤギのおっぱいが出るようになったってニュースをやっていて、これだ!と思ったのね。それでそのときよく飲んでいた、ハーブショップ「マリエン薬局」の授乳ブレンドというハーブティーを買って、こっそり飲ませてたんだけど、結局、母乳は出ませんでした……残念!!(笑)

りゅうちぇる はまじさん、めちゃくちゃおもしろいですね(笑)。

りゅうちぇるさん 「家事も育児もママがやるのはおかしい。 一緒に子育てするのが当然です」 (りゅうちぇる) 浜島直子さん 「イクメンという言葉がなくなるくらい、 普通のことになってほしいな」 (はまじ)



男なのにかわいいものが好きって、変なことだと思ってました(りゅうちぇるさん)

はまじ りゅうちぇるさんの話を聞いていると、私自身も凝り固まった先入観は捨てて、もっと柔軟にならないといけないなと思います。ジェンダーレスもそうですけれど、型にハマらないで、自分らしく生きることの大切さに気づかされるというか。

りゅうちぇる そう言っていただけるとうれしいですが、ただ、それって簡単なことではないですよね。僕自身、子どもの頃からディズニーとか大好きで憧れていたんですけど、中学生になって、「男なのにかわいいものが好きって、変なんじゃないか」と思うようになって、隠していた時代があります。このキャラをカミングアウトしたのは高校生になってから。だから僕は「みんなも素の自分をさらけ出すべき!」とは思ってないんです。家族にしか素顔を見せられない人もいるし、SNSの鍵アカウントの限られた友達にしか本当の自分を見せられない人もいる。準備ができてないのなら、心に秘めたままで全然いいと思います。

はまじ 「勇気を出して、自分をさらけ出そう!」みたいなことではないと。

りゅうちぇる 今世の中に、自分を信じる、自分を認める、みたいな言葉があふれているけれど、けっこう、無責任だなと思っていて、安易に言ってはいけない言葉ですよね。だからカミングアウトしようか迷ってる人には、「無理しなくていんだよ。自分のタイミングで」って言いたい。これはあらゆることに通じると思います。

はまじ ご自身の経験があるからこその言葉。りゅうちぇるさん、すごい達観してる。自分の価値観を決して押しつけない。大人だなぁ……。さて、そんなりゅうちぇるさんですが、10年後はどうなっていたいという未来図はありますか?

りゅうちぇる 仕事はそのときの流れに任せてやっていければいいかなと思います。プライベートでは、夫婦仲よく、そして息子に寄り添って、家庭をしっかり守っていきたいです。

浜島直子さん 「りゅうちぇるさんの子育て観、 めっちゃしっかりしていて感動します」 (はまじ) りゅうちぇる 「自分は無条件に愛される存在だと、 子どもには感じてもらいたいです」 (りゅうちぇる)

はまじ 将来、息子さんにはどんな大人になってほしいですか?

りゅうちぇる 人生、必ず壁にぶつかるときがくるので、そのときに立ち上がれるような自己肯定感の高い大人になってほしいと思います。そのためにも、「あなたが生まれてきてくれて、本当にうれしいんだよ」ということをしっかり伝えていきたいですね。この前もスクールで、先生方に「僕が生まれたとき、ママとパパ、とってもうれしかったんだって!」って言っていたらしくて、ちゃんと伝わっているんだなって、うれしくなりました。人と話していると、自分を好きじゃない人が意外と多いんだなと感じるんですけれど、息子には、自分は無条件に愛されている存在なんだということを知っていてほしいです。

はまじ 素晴らしいですね! きっとお二人に似た、素敵な息子さんになりますね。楽しい家庭を作ってください!!

新旧の定番ファッションを見せ合いっこ レトロなフォルムが 気に入って買ったニット。 古着屋さんで500円!! 乳首も透けません(笑) 昔から好きな 白いスニーカーと合わせて、 さわやかに着こなします! (りゅうちぇるさん)

首の詰まった ロング丈のワンピが 最近のお気に入り 白いレースのシャツと ブーツは20代の頃に買って、 最近復活してるアイテムです (浜島さん)


Ryuchell
1995年沖縄県生まれ。高校在学中からSNSで注目を集め、卒業後は読者モデルと並行して原宿にある古着店に勤務。2015年バラエティデビュー。ユニークなキャラクターでブレイク。2018年よりRYUCHELL名義でアーティスト活動を開始。

Naoko Hamajima
1976年北海道生まれ。『LEE』をはじめ、さまざまな女性誌で活躍。モデルのほかにも『TOKYO GAS Curious HAMAJI』のラジオパーソナリティやTV番組のナレーションを務めるなど、活動の幅を広げている。昨年上梓した随筆集『蝶の粉』も大好評。


撮影/花村克彦 ヘア&メイク/新井淑子(りゅうちぇるさん分) ナライユミ(浜島さん分) スタイリスト/曽我一平(りゅうちぇるさん分) 木暮美奈子(浜島さん分) 取材・原文/佐藤裕美
詳しい内容は2021年LEE10月号(9/7発売)に掲載中です。

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