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Sayaの「星がたり」

「占星術って、占いって何だろう」のお話/Sayaの【読む星占い/星がたり】

  • Saya

2021.05.07

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GWも終わりましたが、みなさまにはいかがお過ごしですか。

5月14日に拡大と保護の星・木星がうお座に入ります。現実化とルールの星・土星はまだみずがめ座にとどまっているので、みずがめ座の「人との距離感」は感じられますが、うお座マター(海、音楽、映画など)に注目が集まるとき。私たちの心は疲れているし、慰撫するものを求めている。そのことが事象として、世の中にも周りにもハッキリと現れてくると思います。トレンドの潮目が変わるんですね。

「占星術や占いって何だろう」というとても深いお題は、今回の打ち合わせで編集のHT子さんからいただいたもの。「今、テレビでも占いが大流行していますよね。聞いてしまうとその言葉が頭から離れず、反芻してしまう人もいるし、それがないと乗り切れない気がすることもある。でも、多くの人が求めていると感じるんです」と。

占いとの付き合い方は人それぞれでいい。“アスハラ”にも惑わされないで

ホロスコープを抱きしめる女性/andBAKE×Saya

昨年、LEEから生まれた本、『星を味方につける生き方、暮らし方〜不安な時代に翻弄されずに私を生きる〜』の中でHT子さんからいただいたお題は、「大人の女性の占いとの付き合い方」でした。それが一歩進んだように感じられる問い。それだけ占星術を、引いては自分自身や運命を知りたい人が増えているのかもしれませんね。

「占いって何だろう」の答えは、人それぞれでいいと私は思っています。絶対的な運命、未来を知りたい人もいるし、優しい言葉で慰めてほしい人もいる。エンターテイメントを求めている人もいる。人の数だけ答えはあるのだと思います。

ただ、むしろ言われたことが気になってしまうことのほうが問題だなと感じました。「占いの言葉が頭から離れない」現象を占い界隈では「アスハラ」被害ととらえるのだそう。「アストロ(占星術的な)ハラスメント」の略だそうで、「しし座だから自己中心的」「男なのにおとめ座なの?」といった類の、星座占いにまつわる紋切り型の言葉をハラスメントととらえるのだそうです。

自分が嫌だなと思う言葉が自分の星座の占いに書かれたとき、「そういうこともあるんだ。気をつけよう」と思える人と、シャドーという心の影の部分に触られたようで反発を覚え、ハラスメントとしてとらえてしまう人がいます。当たれば当たるほど、シャドーは嫌なものなんですね。

先ほどのHT子さんの「聞いてしまうと頭から離れず反芻してしまう人」というのは、アスハラを受けているように感じているということ。多くの人に向けて書かれたメディアの占いで個人的に取ってしまうとしたら、心が弱っているのかもしれません。

占い記事の難しさはそこですね。元気いっぱいの人が読むとは限らない。書き手である私たちも気をつけないといけないですが、読みたくなかったら、そっとページを閉じる。そんなふうに自分の心を守るのも、とても大切なことだと思います。

宇宙に包まれたような安心感をくれる
暮らしの暦でもある占星術の世界観

宇宙に包まれる、暮らしは星とともにある/andBAKE×Saya

私にとっての「占星術とは、占いとは」と考えていくと、私の場合、最初は心の世界への興味がありました。四半世紀前の話ですが、「自分とは何だろう、魂とは何だろう」と突き詰めていったとき、ユング心理学やトランスパーソナル心理学などの書籍に手を伸ばすようになりました。

夢日記をつけて、深層心理の世界に旅したりもしていました。そんな中で鏡リュウジさんが翻訳した心理学書に惹かれ、お会いする機会をいただいたのです。鏡さんを通じ、月星座やホロスコープと出会ったのが28歳目前の夏のことでした。

占星術は天動説にもとづいています。昭和の地動説や科学がすべてという価値観で育った私には初めは占星術の世界観を飲み込むのは難しいものでした。でも、地上にいる自分を中心として、宇宙を見上げる占星術の世界観を本当の意味で理解したとき、自分が太陽系の一員であり、生きているだけで価値があるのだという、宇宙に包まれたような感覚を味わったものです。

あれから20年以上経ってみると、今の私は、物質的な世界と心の世界、星の世界と分ける必要がなく、自然や宇宙に包まれて暮らしている感覚があります。私にとっての占星術とは春になったら、秋になったらこれをするというのと変わらない、暮らしの暦であり、ただそれが地上で終わらない。何かもっと大きなものとつながっている。地上の虫とも花とも惑星意識とも対話する、そんな無限の広がりがある世界観の中に生きている気がしています。

「わたしの物語」、人生を生きる意味を示唆してくれる星の配置図、ホロスコープ

もうひとつお伝えしたいのは、占星術は、「わたしの物語」を知るツールになるということ。

人が生まれたときの星の配置図であるホロスコープに惹かれるのは、自分を知りたい、自分の人生に意味があるのなら知りたい。そんな人間の根源的な欲求と関係しているのだと思います。

実は、そんな「わたしの物語」を書いた本、『星の道を歩き、白い魔女になるまで〜わたしの「物語」を見つけると人は癒される〜』(説話社)を5月19日に出版します。「昭和の物質的、科学的価値観で育ったのに、占星術だけでなく、蘭のフラワーエッセンス、セラピューティック エナジーキネシオロジーなども取り入れて、だんだん魔女のようになってきたなあ」と自分に対して、少しおかしみを感じながら、その道のりを書いています。10年以上、書きためた未発表の文章をベースにしたので、自由研究だとも言っているのですが。

占星術やスピリチュアル、心の世界などに興味を持ちながらも、どういうことなんだろうとわからないでいる。知りたいけれど、危ない気がして踏み出せない。そんな人にこそ読んでいただきたいと思っています。そうした世界に偏見を持たず、理解して受け入れることが風の時代、きっと多くの人を生きやすくすると信じているからです。

この本がうお座に木星が入るタイミングで出せることになったのも、内容を知らないHT子さんがそんな質問をしてくれたのも、不思議なシンクロニシティ(意味のある偶然)ですね。

コロナ禍が続くこの冬、この本の執筆が私を癒し、平常心でいるのを助けてくれました。不思議なこともたくさん書いてありますが、昨年10月5日発売の『星を味方につける生き方、暮らし方〜不安な時代に翻弄されずに私を生きる〜』ともども、みなさんのおそばにそっと置いてもらえたら、本当にとてもうれしいです。

(次回は、6月7日に更新)


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Saya Saya

アストロロジー・ライター

1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。

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