FOOD

"捨てがち野菜"使い切りレシピ!

【家庭でできる食品ロス対策】「ベジブロス」の作り方とアレンジレシピ2選!/川上ミホさん

  • 川上ミホ

2021.03.12

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知ってると得する!食品ロスをおいしく解決!“捨てがち野菜”使い切りレシピ

最近注目されている食品ロス(フードロス)、実は家庭からの量も驚くほど多いのです。そこで、普段から野菜の捨てがち部分をおいしく料理している川上ミホさんを取材。

おすすめのレシピは“もったいないから”だけでなく、うま味も栄養もたっぷり! 毎日の食卓で大活躍してくれます。

知ってると得する!食品ロスをおいしく解決!“捨てがち野菜”使い切りレシピ

家庭からは年間約284万トンもの食品ロスが発生しています!

日本では毎年約612万tもの本来は食べられる食品が捨てられていて、一人あたりだと1日約132g。このうち家庭からは約284万t。食品ロスは環境だけでなく家計にも悪影響があることを考えるともはや人ごとに思えません。

※FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書による2017年度推計値。

教えてくれたのは
料理家 川上ミホさん

これらの捨てがち部位、実はおいしく食べられますよ! 料理家 川上ミホさん

料理家 川上ミホさん

これらの捨てがち部位、実はおいしく食べられますよ!

フランス料理店のソムリエ、イタリアンの料理人、会員制レストランオーナーを経て、現在は料理家として雑誌、WEBなどで幅広く活躍。5歳の女の子のママ。昨年より東京と軽井沢の2拠点で暮らす。Instagram(miho.kawakami.5



野菜の捨てがち部分は宝の山、おいしくて栄養たっぷり!

日頃から家庭内で食品ロスを減らす取り組みをしている川上さん。

「普段捨てがちな野菜の皮や茎なども、調理の仕方次第でおいしく生まれ変わります。例えば、ブロッコリーの茎は加熱すると甘味が出て、食感もいいから私は大好き。最近は、茎が太いものを探し出して買うくらいです(笑)。

一番のおすすめはベジブロス。材料はどんな野菜でもよくて、煮てだしをとるだけだから簡単! いろんな料理に使える万能だしとして活用できます。香味野菜の葉などを加えると、ぐっと味がよくなりますよ。

毎日出る野菜の皮などを冷凍し、ある程度たまったら使用。冷凍すると野菜の組織が壊れるので、だしが早くとれて便利なのです。ほかの料理に使う場合は、冷蔵、冷凍どちらでもOK

ベジブロスをはじめいろんな料理の味つけには、みそ、牛乳、オリーブオイル、バター、スパイスなどがおすすめ! 苦味やえぐ味が消えて、まろやかな味わいに。

使える食材が増えたと思うと、なんだか得した気分になれますね」

野菜くずも煮るとうま味たっぷりのベジブロスに生まれ変わります!

ベジブロスはみそ汁、煮物、スープ、カレーなど、和洋中問わず幅広く使えるとっても便利な万能だし。毎日出る野菜の皮などを捨てずに冷凍しておけば、簡単に作れます。

基本のベジブロス

基本のベジブロスの作り方

作り方

  1. 野菜の皮や茎(玉ねぎ、にんにく、にんじん、じゃがいも、なすなどの皮、セロリの葉、ブロッコリーの茎など)はまとまった量になるまで、そのつど冷凍しておく。
  2. 厚手の鍋に①をふわっと軽くいっぱいになるまで入れる(ぎゅっと詰めないように)。鍋の七~八分目くらいまで水を加え、弱火にかけてフタをして30分ほど煮る。味見をして、野菜のうま味が出ていればOK。ザルでこすか、レードルで液体だけをすくいとる。
    *冷蔵で2~3日、冷凍で1カ月ほど保存できる。

基本のベジブロスの作り方

野菜の捨てがち部分は何でもOK! ただし、玉ねぎの皮は必須。コンソメのような色がつき、甘味や香ばしさもプラス

アレンジ1ベジブロスを和風だし代わりに使って優しい味に
丸ごとかぶのみそ汁

丸ごとかぶのみそ汁/料理家 川上ミホさん

「ベジブロスは発酵食品のみそとも相性抜群! ほくっと煮えたかぶとベジブロスの甘味がよく合います。茎と葉は最後に入れて歯ざわりよく」

材料・2人分

かぶ(葉付き)……1個
ベジブロス(上記参照)……360~400㎖
みそ……大さじ1強

作り方

  1. かぶは茎を少し残して葉を切り離す。縦6つ割りにし、葉は細かく刻む。
  2. 鍋にかぶとベジブロスを入れて弱火にかけ、かぶがやわらかくなるまで煮る。火を止めてみそを溶き入れ、かぶの葉を加えて余熱で火を通す。

アレンジ2ベジブロスとアサリ、ダブルのうま味が濃厚
魚介のリゾット

魚介のリゾット/料理家 川上ミホさん

「ダブルのうま味を吸ったお米がとても味わい深いです。このレシピはアルデンテに仕上げていますが、子どもにはやわらかく煮るといいですね」

材料・2人分

白身魚の切り身(タイやタラなど)……1切れ
アサリ(砂抜き済み)……60g
米……140g
ベジブロス(上記参照)……450㎖
塩……少々
オリーブオイル……大さじ2
ディル(あれば)……適量

作り方

  1. 白身魚は4等分に切る。鍋にオリーブオイルと米を入れ、中火で3~4分炒める。
  2. 別の鍋にベジブロス、アサリ、白身魚を入れて中火にかけ、アサリの口が開いたら魚介はいったん取り出す。残りのベジブロスはごく弱火にかけておく。
  3. ①の鍋にベジブロスをレードル2杯分注ぎ、木べらで全体を鍋底から一度混ぜて揺する。水分が減って米の表面が出てきたら、ベジブロスをレードル1杯分弱注ぎ、同様に混ぜる。これを繰り返して、米に芯が少し残るくらいまで20分ほど炊く。
  4. 塩で調味して火を止め、魚介を戻してフタをして余熱で温める。器に盛ってオリーブオイル少々(分量外)を回しかけ、あればディルをのせる。
    *子どもには米の芯がなくなってふっくらするまで、水を適宜加えながら煮る。

詳しい内容は2021年LEE4月号(3/5発売)に掲載中です。

撮影/清水奈緒 スタイリスト/岩﨑牧子 取材・原文/海出正子
※LEEwebは3月5日(金)10:00以降に公開の記事より、当サイト記事内での掲載商品の価格表示を消費税込の総額表示に変更しました。変更以前より掲載している記事においては、一部商品について、税抜き価格での表示が残っている場合がありますので、ご注意いただけますよう、お願い申し上げます。

川上ミホ

フランス料理店のソムリエ、イタリアンの料理人、会員制レストランオーナーを経て、現在は料理家として雑誌、WEBなどで幅広く活躍。5歳の女の子のママ。2020年より東京と軽井沢の2拠点で暮らす。

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