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「おうちでセルフ白髪染め」を成功させたい! 市販のカラー剤の選び方、使い方は?

  • 伊熊奈美

2020.10.23

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こんにちは。秋は夏に受けた紫外線などの影響で、髪のトラブルが気になる季節。パサつき、抜け毛、髪のダメージ…こんな時こそ、お手入れを見直すのもいいかもしれません。

おうちで白髪染め、失敗したくないんです!

Q:市販の白髪染めを使い始めたのですが、髪への負担が気になります。セルフカラーリングは見本と同じようなカラーが出にくいし…(はぴはぴさん)

A:なるほど〜、初めての自宅染め、確かにちょっと勇気がいりますよね。
イメージ的に「美容室のカラー剤は質がいいので傷まず、市販のものは安価だけど傷みやすい」という印象を持っている人も多いようです。
でも、美容室で行うカラーリングも、ドラッグストアで売っている白髪染めも、実は同じ種類のヘアカラー剤なんですよ。いずれも「酸化染毛剤」という、医薬部外品のヘアカラー剤で、一般的にヘアカラーといえばこれを指します。

美容室でもドラッグストアでも
どちらも同じ「酸化染毛剤」。その違いは?

「酸化染毛剤」の特徴は

  • ・1、2剤を混ぜる方式
  • ・髪のトーンが明るくなる
  • ・深くしっかりと色が入って、長期間色落ちしない

「アルカリカラー」「ファッションカラー」「おしゃれ染め」「グレイカラー」「白髪染め」「ヘアカラー」「ヘアダイ」……などなどいろいろな呼ばれ方をしていますが、どれもすべて「酸化染毛剤」です。

同じ種類ではあるけれど、プロ用は繊細なテクニックを生かせるように設計されたヘアカラーです。使い方も違います。塗る前の準備、完璧なすすぎ、薬剤が残らないようにする後処理…。
そんなプロの技術を駆使して使うヘアカラーと、どんな人も家庭で簡単に染められるように作られたヘアカラー。優先順位が違うので、成分が同じでも中身の「設計」に違いがあります。だから数日経ってからの褪色や、ダメージなどに違いが出てしまうというわけです。

“基本ヘアサロン、時々おうち”
両方で白髪染めする人は、ヘアカラートリートメントを!

市販のホームカラー(酸化染毛剤。箱に入ったものが一般的です)も、どんどん進化し、人気の明るめの色が増えたり、使いやすさとダメージ予防の効果が高まったりしています。だから、サロンでは染めず、家でのみ染める、という人なら自由に好きな色を選んでOKです。その人の髪質もあるので、見本通りには染まらないかもしれませんが、まずは説明書をよく読んでから、トライしてみましょう。

けれど「基本的にはヘアサロンで染め、行けない時には家でも髪色を変えたり、白髪を隠したりしたい」という人の場合、ホームカラーで自分で染めるのは注意が必要。自分で選んだ色とサロンカラーの明るさが違っていて、サロンでの次のカラーリングに影響する可能性があるからです。

そこで、サロンと自宅の併用派の方には、ヘアカラートリートメントで染めることをおすすめします。ヘアカラートリートメントは、「酸化染毛剤」とは違う種類の染料で「半永久染毛料」といいます。

左)白髪をしっかり染めながら、ガゴメ昆布から抽出された成分フコイダンが、髪と頭皮をたっぷり保湿。染める成分は、紅花やクチナシなどの天然色素なども使用。LPLP ヘアカラートリートメント モカブラウン/Jコンテンツ
中)天然由来成分95%、ダマスクローズの精油の香りで心地よく白髪ケア。生えぎわや根元が染めやすいヘアカラーブラシ付き。HANA ORGANIC カラーコンディショナー アッシュブラウン/えそらフォレスト(10月26日発売)
右)明るい透明感ヘアカラーの褪色にのせるならプラチナ、根元の白髪が気になるならココアを。チューブタイプもあるが、1回使い切りサイズのパウチが便利。モロッカンオイルの香りがほんのり残る仕上がり。モロッカンオイル カラー デポジティング マスク プラチナ、ココア/モロッカンオイル ジャパン


ヘアカラートリートメントは
「半永久染毛料」

「半永久染毛料」の特徴は

  • ・髪のトーンは明るくならない
  • ・色がつくのは数日間で、使うのをやめれば色落ちする

なんとなく物足りなさそうにも思えるこの特徴……でもこの特徴こそがヘアサロンと自宅の併用派の人にはうってつけなのです!

その理由は

  1. 1)色が濃く出ないから失敗にならない(ただし、美容院に行く2~3日前になったら、ヘアカラートリートメントを使うのはお休みしましょう)
  2. 2)トリートメントなので髪を傷めない
  3. 3)万一「この色は違った!」と思っても、数回洗えば色は落ちるので怖くない
  4. 4)敏感肌で一般的なヘアカラー剤が使えない人も使えることが多い

でも、特に根元の白髪の気になる人は「カラートリートメントってちゃんと染まらない」というイメージがあるかもしれません。実は使い方次第でちゃんと染まるんです!

【実践編】カラートリートメントで
きちんと染めるにはコツが必要

そこで今日は、カラートリートメントで根元の白髪をきちんと染めるための裏ワザテクニックをご紹介します。

しっかり染めるためのポイントはこの3つ!

  1. 1)ヘアカラーだと思ってハケで根元から塗る
  2. 2)シャンプー前の乾いた髪に使う
    ※製品の使用方法に乾いた髪に使ってOKと明記されている場合のみ
  3. 3)塗った後は温める

根元の白髪を染めるときの材料はこちら!

  1. ・ヘアカラー用のハケ
  2. ・ラップ
  3. ・使い切り手袋
  4. ・温めるシャワーキャップ(500円くらいで買えるのでおすすめ! なければ、ホテルのアメニティなどにある使い切りのシャワーキャップ)
  5. ・ヘアカラートリートメント

ヘアカラートリートメントの手順!

  1. 1)タイミングはお風呂に入る前!
  2. 2)ヘアカラートリートメントをラップの上などに多めに出す
  3. 3)まずはいつもの分け目の線に、ハケでヘアカラートリートメントをまんべんなくたっぷり塗る。塗り終わったら、ハケのとがった方でその1.5センチくらい横にまた分け目を作り、またトリートメント剤をたっぷり塗る。それを頭頂から耳まで繰り返していく。

  1. 4)全部塗り終わったら、その上からシャワーキャップをかぶる

※ラップはきっちり張らなくても、写真のように軽く乗せればOK
※毛先までなじませるかはお好みで。毛先まで塗るなら、トリートメント剤を使う量が増えます

  1. 5)湯船で温まったり、体を洗ったりして15分以上置く
  2. 6)トリートメント剤をすすいでから、いつも通りシャンプーする

この方法なら1回でもしっかり染まりますよ。足りないな、と思ったら翌日も同じ方法でやればOK。ぜひお試しを!

白髪ケア情報を満載した著書が発売されます!

こんな白髪ケア情報を満載した私の著書が10月28日に出版されることになりました。

『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館刊/¥1400/税別)

コロナ禍で、白髪染めの頻度ややり方が変わってしまったという方も多いかもしれません。そこでちょっと立ち止まって考えてみたいのが、白髪を染めることについて。これまでに不満やお悩みはありませんでしたか?

すぐ根元から生えてくるから面倒、染めている時に頭皮に刺激を感じる、髪が傷みやすくなった…などなど。
この本ではそんなお悩みにお答えして、新しい生活様式に合わせた持続可能な白髪ケアの選択肢をご提案しています。
また、肌がゆらぎやすい人のために頭皮の皮膚炎やアレルギーのこともカバー。スキンケアに比べて、なかなか知る機会の少ないヘアカラーの基礎知識を網羅しました。

あっ、40代以上と書いてあるけれど、白髪は個人差があるので年齢を問いませんよね。私なんて20代から白髪で悩んでいましたよ! 白髪のことでモヤモヤした気持ちをお持ちのすべての方に、読んでいただければと思います。

『頭皮がしみる、かゆいは危険信号! いい白髪ケア、やばい白髪ケア』詳細はこちら

ヘアカラートリートメントについても、さらに詳しい使い方や製品選びのコツを書いていますよ。皆さんのお悩みが少しでも解決しますように。よかったらぜひご覧くださいね~!

伊熊さんへの質問募集中です!

大人女性の髪悩みの救世主、伊熊さんへの質問大募集中です! 少しずつですが、お答えしていきますので、ぜひ質問を送ってくださいね!

伊熊さんへの質問はこちら

 


伊熊奈美 Nami Ikuma

毛髪診断士・美容エディター

毛髪診断士の資格を持つ美容エディター。雑誌や書籍の編集・執筆のほか、セミナー講師やヘアケア製品開発にも携わる。大人女性のヘア情報サイト『HAIRISTA』を監修。1男の母。

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