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伊坂幸太郎さんが紡ぐ「子育て」の世界

伊坂幸太郎さんのおすすめ作品は? 集英社女性誌ライター8人の推しはコレ!

2020.08.03

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集英社女性誌 BOOK&MOVIEライター集結 私の“推し”作品はコレです!

LEEをはじめ、集英社の各女性誌で書評や映画評で活躍中のライターさんたちが選ぶマイ・ベスト・オブ伊坂幸太郎作品はコレ! ぜひ参考にしてみて。

BOOK“推し”作品

2013年 ガソリン生活

¥780 朝日新聞出版

ユニーク! 自動車目線が
楽しいユーモラスな小説

一見普通の自家用車が、感情を持って自由にしゃべれたら? 主人公はなんと緑のデミオ、通称「緑デミ」、事情通。ある日、一家の兄弟がドライブ中に元女優が突然、乗り込んできて、物語は動き出します。彼女の死を巡るミステリ小説の要素と温かな家族小説の両面を持ち、幅広い読者層をワクワクさせるはずです!

私が“推し”ています
ライター江南亜美子さん

『BAILA』で書評を担当。家でも旅気分を味わえる「世界の朝ごはん作り」にハマり中。台湾やイスラエル料理にも挑戦!



2018年 フーガはユーガ

¥1400 実業之日本社

仙台にはヒーローがいる。
伊坂さんが描き続ける限り

母が蒸発し、父の不条理な暴行と貧困に耐えてきた双子の兄弟の風我と優我は、毎年誕生日に特殊な能力を発揮する。その力は、自分たちを、そして誰かを、救うことができるのか。悲惨な現状なのに不思議と心が強くなるのは、伊坂作品に住むヒーローの力。仙台にはヒーローが、本当に住んでいるような気がします。

私が“推し”ています
ライター吉野ユリ子さん

『Marisol』で書評を連載中。最近は、朝、家族が起きる前に動画を観ながらヨガやエクササイズをするひとときが至福。

2016年 サブマリン

¥660 講談社

『チルドレン』に続く
キャラが活躍するミステリ

家裁調査官の陣内は伊坂作品屈指のユニークな人物で、こちらの予想と正反対のことを言ってのける。でも憎めない。そしてもう一人、小山田俊という引きこもりの少年も登場するのだが、彼もこちらの先入観を裏切ってくれる。二人とも常識外れ。でもその言動が大きくカーブし、小さな奇跡を起こす。痛快な物語です。

私が“推し”ています
ライタータカザワケンジさん

『SPUR』のブックガイドなどを担当。最近のおうち暮らしでのハマりごとは、昔撮った写真のフィルムをスキャンすること。

2019年 クジラアタマの王様

¥1500 NHK出版

疾走感に加え次々と転がる
物語の奥深さを味わえる

製菓会社に勤める岸は、政治家、人気芸能人と顔見知りに。接点がないはずの三人なのに、政治家は「夢の中で会っている」と言い出す。日常と非日常が混在するような設定から、事件がたたみかけるように起こっていき、ラストの設定にはゾクッとする部分も……。ストーリーテラーとしての底力を味わえる作品。

私が“推し”ています
ライター石井絵里さん

『LEE』で書評やブックガイド記事を執筆中。おうち時間は2匹の猫とたわむれている。ミュージシャンの藤井風さんに注目中。

MOVIE“推し”作品

2012年 ポテチ

¥3800(DVD)発売元・販売元・アミューズソフト  ©2007伊坂幸太郎/新潮社©2012『ポテチ』製作委員会

しぼんだ心にしみ入る、
まっすぐで熱い応援歌

短編集『フィッシュストーリー』の中でも一番好きな『ポテチ』。ゆるっとした空気感が心地よく、ふわりとしたおかしみと優しさを伝える映画版もお気に入り。特に主演の濱田岳渾身の尾崎選手への声援が胸を打つ野球場の場面は、見るたびに涙腺崩壊。明日もがんばろう!と活力をもらえる、私のビタミン映画です。

私が“推し”ています
ライター今 祥枝さん

『BAILA』で映画評を『小説すばる』でエッセイを担当。編集協力した映画翻訳本『幻に終わった傑作映画たち』が好評。

2007年 アヒルと鴨のコインロッカー

¥4700(DVD)発売元・販売元・アミューズソフト  © 2006「アヒルと鴨のコインロッカー」製作委員会

恋と友情とサスペンスが
見事に融合した青春映画

伊坂作品映像化の第一人者・中村義洋監督作。仙台の大学に入学した椎名は、アパートの隣人・河崎から、ブータン人留学生のため書店襲撃を持ちかけられ……。終盤で視点がひっくり返る作りに目から鱗、その裏に隠された悲しい過去、切ない思いに胸が張り裂けそう。端役で登場の初々しい岡田将生の姿も必見!

私が“推し”ています
映画ライター折田千鶴子さん

『LEE』&『LEEweb』での映画評や俳優陣のインタビューで活躍中。おうち生活ではレモンを使ったお菓子をよく作っている。

2009年 重力ピエロ

¥2800(DVD) 発売元・アスミック・エース 販売元・TCエンタテインメント ©2009『重力ピエロ』製作委員会

家族愛を伝えてくれる
兄弟に扮した二人の名演

連続放火事件を結び目に、ある家族の過去と愛をひもとくミステリ。人にとって大切なのは環境なのか遺伝なのかという深い問いかけが描かれています。原作の世界観を生かした浮遊感のある映像や名セリフ、兄役の加瀬亮と弟を演じた岡田将生のナチュラルな相性のよさが切なくも爽やかなラストへと導いてくれます。

私が“推し”ています
ライター細谷美香さん

『Marisol』で映画記事を執筆。おうちでは、Netflixでラブコメ、青春もの、韓国ドラマ、ドキュメンタリー漬けの日々。

2010年 ゴールデンスランバー

¥1500(DVD スペシャルプライス版)発売元・販売元・アミューズソフト ©2010「ゴールデンスランバー」製作委員会

陰謀に巻き込まれた
「お人よし」を救うのは誰だ

突然首相暗殺のぬれ衣を着せられ、警察に追われる身となった「平凡な男」。韓国で制作されたバージョンと比べると、主演による持ち味などの違いも楽しめる。日本版はほかのキャラもユニークで、小さな役にも「おおっ!」という役者が。それが意外な伏線と、じんとするラストに落ちていくのが見どころ。

私が“推し”ています
ライター萩原麻理さん

『SPUR』の映画レビュー、SPUR.JPで「ファンガールの映画日記」を連載中。保護猫と同居。得意料理はタコライス。


詳しい内容は2020年LEE8月号(7/7発売)に掲載中です。
取材・原文/石井絵里

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