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「口内フローラ」を整えれば人生が変わる!

「口内フローラ」とは?博士が詳しく解説!&トラブルの予防改善に効く、正しい歯の磨き方をマスター!

2019.06.20

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口臭が気になる、口の中が乾く……。歯医者さんに行くほどではないけれど、なんとなく口の中がイヤな感じ。口臭、虫歯、歯周病 etc. お口のトラブルが全身の不調につながることも!?

この不快感のキーワードとして、今注目されているのが「口内フローラ」。口の中の環境を整えれば、口内のみならず、健康にもいい影響が期待できるそう。博士(歯学)の木津康博先生が詳しく解説。さらに、口内フローラ改善に役立つ、正しい歯磨き&フロスのテクニックを歯科衛生士の岩﨑美和さんに伝授してもらいました!

 

「口内フローラ」って一体、何?

口内フローラ

口の中に生息する、約700種以上もの細菌群

人の口の中には、約700種類、1000億個以上ともいわれる細菌の集合体があります。これが口内フローラ。菌は大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類で、歯の表面や歯周ポケット、舌など、部位によってそれぞれ特有のフローラを構成。善玉菌(日和見菌を含む)9割、悪玉菌1割が理想な口内フローラのバランスといわれています。

 

口内フローラが乱れると、全身に悪影響が!

歯だけではなく、口の中のフローラのバランスが大切

「腸内フローラ」は周知されましたが、同じように口の中にもフローラがあるのだそう。

「このバランスが乱れ悪玉菌が増えると、口臭や口の中のねばつきなど、不快な症状が表れます。これが虫歯や歯周病を引き起こし、さらには身体にまで影響をおよぼすことがあるのです(下イラスト参照)」と話すのは、木津歯科総院長の木津康博先生です。歯周病患者の心臓病のリスクは2倍(平成11年度厚生労働省調査)ともいわれるそう。口内フローラの乱れが、どのように身体に影響を与えるのでしょう。

 

【口内環境の悪化でこんな症状を発症することも】

口内フローラ

「例えば、悪玉菌である歯周病菌が、歯周ポケットにすみつき骨を溶かします。さらに、骨内の毛細血管から悪玉菌が全身を巡ると、心臓の血管にかたまりを作り、心筋梗塞などさまざまなトラブルを招く可能性もあります」

アメリカでは「Floss or DIE(デンタルフロスか死か)」という言葉も話題なのだとか。

「つい虫歯や歯周病だけに着目しがちですが、口内の環境を整えることは、全身の健康につながるということ。日々の口内ケアがどれほど重要かがわかりますね」(木津康博先生)

教えてくれたのは

木津康博先生

博士(歯学)
木津康博先生

横浜みなとみらいにある「(医)木津歯科」総院長、東京歯科大学臨床准教授。早期から口内のケアに着目し、「オーラル&マキシロフェイシャル ケアクリニック横浜」も開院。

口内フローラ改善のための基本その1
歯磨き+フロス

口内フローラのバランスは、日常のちょっとしたことで乱れがちです。でも、意識することで改善も可能。口内フローラを改善するための基本習慣を知り、できることから変えていきましょう!

歯磨き+フロス

歯の表面だけでなく、歯と歯が当たる部分の汚れもきちんと取り除く
日常のケアは歯ブラシだけですか? もしそうなら、一日に一度はフロスの併用を始めましょう。歯と歯が当たる「コンパクトポイント」にも、食べかすなど汚れが付着します。歯ブラシが入り込めないポイントは、フロスを通してしっかり汚れを取り除いて。

正しいブラシの持ち方&磨き方

歯ブラシは、握るように持つと動きが大きくなるだけでなく、余計な力が入り歯茎を傷つけてしまうことも。「一本一本、丁寧に磨きましょう。歯ブラシのケアだけでも、せめて5分はかけたいところです」(岩﨑さん)

教えてくれたのは

岩崎美和さん

歯科衛生士
岩﨑美和さん

(医)木津歯科にて歯科衛生士長を務める。インプラントに関しても、インストラクター級の専門知識と技術を持つ。

〈 持ち方 〉

正しい歯ブラシの持ち方

Point

左の図のようなら小刻みな動きができるので、より隅まで磨けます。歯ブラシを軽く「支える」感覚で持つのがコツ。

〈 磨き方 〉

  • 正しい磨き方

  • 正しい磨き方

  • 正しい歯の磨きかた

1 / 3

  • 毛先を歯の「面」に当てる。歯と歯茎の間は45度くらいの角度をつけるのが基本。


  • 歯ブラシにかかる負荷は150~200gと軽めが大切。毛束が広がるのはNG!


  • 歯ブラシは、5~10mmの幅で小刻みに動かす。歯を1~2本ずつ丁寧に。


正しいフロスの使い方

歯ブラシだけでは十分に磨けない、歯と歯の接地面のコンパクトポイントや、隙間にフロスを使います。

「歯と歯の間が広い場合は歯間ブラシもプラスすると完璧です!」(岩﨑さん)

〈 持ち方 〉

  • フロスの使い方

  • フロスの使い方

1 / 2

  • フロスは40㎝くらいを目安に切り、両手の中指に巻きつける。両手の間を15cmくらいの長さにすると使いやすい。


  • 両手の親指と人さし指でフロスをはさむ。歯と歯の間にゆっくりと上から通し、歯の側面も2~3回こすってから抜く。


編集部オススメはこれ!

リーチデンタルフロス

初心者ならワックス加工
滑りのいいワックス加工を施したものは、初心者にもおすすめ。リーチ デンタルフロス ワックス 50m¥722(編集部調べ)/ジョンソン・エンド・ジョンソン

ガム・デンタルフロスWAX

ふくらむフロスで効果大
使用中にふくらむソフトなフロス。歯間部に広く密着するので、効率的に汚れが取れる。ガム・デンタルフロス/ふくらむタイプ¥600/サンスター


次回は、あなたの「口内フローラ」は大丈夫? 虫歯や歯周病の原因となる「生活習慣」をチェックします!

イラストレーション/小迎裕美子 取材・原文/三宅智佳
※商品の価格は本体価格(税抜き:2019年6/7発売LEE7月号現在)で表示しています。詳しくはLEE7月号をご覧下さい。

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